光成、ダル以来の10代毎回K お立ち台には“代役”熊代が

[ 2016年6月3日 05:30 ]

<西・D>帽子を飛ばして力投する高橋光

交流戦 西武4-1DeNA

(6月2日 西武D)
 出場機会がなかった外野手は堂々と胸を張り、ヒーローの思いを「代弁」した。完投勝利でお立ち台に上がった西武の高橋光…、いや、熊代は「最後に点を取られて悔しかったけど、ここで声援を受けることができてうれしい。何回立っても気持ちいいです」とドヤ顔。ファンは爆笑だった。

 圧巻だった。8回までに105球で、わずか2安打、1四球で無失点。直球、変化球でも同様に強く腕を振り、4番の筒香から2三振を奪うなど、プロ初の2桁10三振にも達していた。誰もが前回5月26日の楽天戦(大宮)に続く、2試合連続完封勝利を思い描いた。

 運命の9回。1死一塁で代打・下園に左中間に適時二塁打を浴びた。高卒2年目以内の2試合連続完封なら西鉄時代の57年・稲尾以来59年ぶりの快挙だったが、集中力を保って続く倉本を空振り三振。10代では06年の日本ハム・ダルビッシュ(現レンジャーズ)以来、史上10人目の毎回三振も達成した。最後は筒香の中前に抜けそうな打球が左すねに当たって方向が変わり、二塁の浅村がさばいて試合が終わった。

 試合直後は痛がるそぶりも見せなかったが、アイシング治療を優先させるため、お立ち台は辞退。ロッカーのテレビで炭谷に連れられて「緊急登板」した熊代を見守ったという右腕は「おもしろかった。(自分が言いたかったことは)全く一緒です」と言って笑わせた。病院に行く予定はなく「9回を(無失点で)投げ切る体力をつけます」と反省も忘れなかった。

 121球を投げ4安打1失点で堂々の完投勝利。最速149キロを記録した。交流戦最初のカードで勝ち越し、最大9あった借金を3とした田辺監督は「(高橋光は)全ての球種がよく、投げっぷりもよかった」と褒めた。

 自身3連勝の要因を問われた高橋光は「直球の球威が出てきた」と分析。意識しているのは2点で「力まず」と「思い切り腕を振る」と挙げる。相反することを絶妙のバランスでこなす投球センス。末恐ろしい19歳だ。(山田 忠範)

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