オコエ 2軍戦でプロ1号 弾丸ライナー「ずっとフルスイング」

[ 2016年4月22日 05:30 ]

楽天のオコエ

イースタン・リーグ 楽天8―2DeNA

(4月21日 ベイスターズ)
 待望の「プロ1号」だ!楽天のオコエ瑠偉外野手(18)が21日、イースタン・リーグのDeNA戦(ベイスターズ)に「1番・中堅」でフル出場。7回、左越えに弾丸ライナーの1号2ランを放った。初回は二盗に成功するなど8―2の勝利に大きく貢献。将来の目標として掲げる「トリプル3」達成に向けて、黄金ルーキーは今後も2軍で「フルスイング」を続ける。

 バットの芯で完璧に捉えた。まるでバズーカで放たれたようなオコエのライナー性の打球は、強い逆風を切り裂くと最後は左翼後方の防球ネット中段に突き刺さった。両手に残る「プロ1号」の感触…。笑顔でダイヤモンドを一周した。

 「打ったのはスライダー。感触は良かったので逆風でもホームランになりました。ずっとフルスイングを心掛けてきたのでその成果が出ました」

 ファンや関係者の度肝を抜いた。3点リードの7回1死二塁だ。2ボール1ストライクから冷静にスライダーを狙っていた。1軍で先発経験のあるDeNAの左腕・砂田が投じた4球目は、狙い通り120キロのスライダー。あとはタイミングを合わせるだけだった。将来はチームの主軸を担うスター候補生による待望の一撃。三塁ベンチはお祭り騒ぎだった。

 ナイジェリア人の父を持ち、関東第一で出場した昨夏甲子園では走攻守で抜群の身体能力を発揮。ドラフト1位で入団すると2月の沖縄・久米島キャンプでも話題を独占した。オープン戦は打率こそ・174も、得点圏では5打数3安打4打点と勝負強さを発揮。高卒新人野手で球団史上初の開幕1軍入りを決めた。今月中旬に岡島、藤田ら野手に故障者が続出したことで枠に余裕がなくなり、同14日に2軍落ち。11試合の出場で8打席7打数無安打。プロ初安打こそマークできなかったが、盗塁を記録するなど走塁、守備では1軍でも非凡な才能を見せた。

 2軍では早くもムードメーカーの地位を築いている。平石監督からは「とにかくフルスイングしろ」と命じられている18歳は1番での出場が多く、最初の打席に向かう前には必ずベンチの河野2軍チーフ打撃コーチに「フルスイングで三振してきます!」と宣言する。この試合でも大声で宣言して1打席目に向かったが、四球で出塁してすかさず盗塁。高卒1年目とは思えない落ち着きで、リードオフマンの仕事をこなしている。

 報告を受けた梨田監督は「慌てずじっくりやってほしい。ひと夏を越えれば体もできてくるし(1軍の)チャンスもゼロではない」と後半戦での1軍再昇格も示唆した。将来の目標は「トリプル3」。当面は2軍でフルスイングを続け、打棒を磨く。(山田 忠範)

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