青木 ガッツ三塁打 移籍後初V撃「いいところで出てくれた」

[ 2016年4月22日 05:30 ]

<インディアンス・マリナーズ>勝利にアイアネッタ(左)とハイタッチする青木(AP)

ア・リーグ マリナーズ2―1インディアンス

(4月20日 クリーブランド)
 マリナーズの青木宣親外野手(34)が20日(日本時間21日)、インディアンス戦で移籍後初の決勝打を放った。「1番・左翼」で出場し、2回に右翼線へ先制の2点三塁打。この一振りによるリードを守り、2―1で競り勝った。マ軍は開幕14試合を終え、借金2でア・リーグ西地区3位に低迷。リードオフマンの青木も打率・228と低調な滑りだしとなったが、チームも自身も浮上へのきっかけにする。

 三塁塁上で珍しくガッツポーズを見せた。自然と感情が表に出るほど、青木は興奮していた。12試合ぶりの打点。一気に2点を先制したのだから、なおさらだった。

 「しっかり打てば長打になる。1本しか打てなかったけど、結果的にあれが決勝点になった。いいところで出てくれた」

 0―0の2回2死一、二塁。相手先発のサラザールとは、14年のロイヤルズ時代に13打席対戦していた。対戦打率は・250も「何度も対戦して球筋は分かっている」と冷静だった。2ボール1ストライクからの4球目、内角寄りの低め94マイル(約151キロ)を迷いなく引っ張る。鋭い打球が一塁線を破り、快足を飛ばして三塁に到達した。この2点三塁打が、チームの全得点となった。

 メジャー4年目の26歳右腕は昨季14勝を挙げてブレーク。この日も7回3安打2失点で、青木に打たれた後は無安打投球だった。「打った方を褒めるしかない」とマ軍のリードオフマンに脱帽した。決勝打はジャイアンツに在籍した昨年5月3日、エンゼルス戦で先頭打者本塁打を放って以来で、マ軍では初めて。スコット・サービス監督も「貴重だった」と相好を崩した。チーム打率はリーグ15球団中14位の・211。青木も・228。指揮官が「4、5人が同時に苦しんでいる」と心配する状況で接戦をものにしたのは大きい。

 実家は熊本地震の被災地に近い宮崎県日向市。日本時間16日、ヤンキース戦のためニューヨーク遠征中だった青木は、インターネットで情報収集して、家族と連絡を取った。家族は無事だったが「眠れない日が続いていると思うし、気掛かり。早く地震が収まってくれるのを待つしかない」と祈る日々。今はバットで地元の人々に少しでも明るいニュースを届けたい。

 打撃練習ではタイミングの取り方を工夫し、逆方向への打球を意識するなど試行錯誤してきた。「できればもう1本打ちたかったけど、チームが勝ったので良かった」。九州男児の意地の巻き返しが始まった。

 ≪昨年5月以来≫青木の決勝打はジャイアンツ時代の昨年5月3日エンゼルス戦で初回の初球に1号ソロを放って以来。メジャー通算では21本目の勝利打点となった。年度別で最も多いのは14年ロイヤルズ時代の9本で、次いで12年ブルワーズ時代の7本。サヨナラ打は12年6月7日カブス戦(ソロ本塁打)と14年7月24日のインディアンス戦(左前打)の2度、記録している。

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