亀井延長11回V打 巨人日替わりヒーローで好発進

[ 2016年4月1日 05:30 ]

<D・巨>11回2死満塁、適時二塁打を放つ亀井

セ・リーグ 巨人6-4DeNA

(3月31日 横浜)
 追いつかれ、また追いつかれても振り切った。巨人は31日、DeNAと延長11回を戦って6―4で勝利。力を発揮したのはベテランだった。3―3の10回、村田修一内野手(35)が適時二塁打。その裏に同点とされると、亀井善行外野手(33)が決勝の2点適時二塁打を放った。苦しい試合を制し、開幕2カードを5勝1敗と好発進した。

 二塁ベースに到達した亀井が、三塁ベンチに向かって両手を掲げた。首脳陣もナインも手を上げ、声を出し、笑顔で返した。延長11回。まるでサヨナラ勝ちを決めたような騒ぎっぷりだった。

 「手応えは良かった。芯に当たってくれた。十分です。いい雰囲気の中で野球をやれている」

 2死満塁での一撃でシーソーゲームに決着を付けた。3試合連続大入りの敵地は興奮のるつぼ。そんな中、打席で冷静だった。「真っすぐの速い投手(福地)。真っすぐに合わせていった」。初球から2球続けてきた直球を右翼フェンス上段にぶつけた。2点を勝ち越し、試合を落ち着かせた。

 3―3の10回には村田がヒーローに手をかけた。2死二塁から右中間へ一時勝ち越しの二塁打。「積極的にいった。バットが内側から出てうまく打てた」。外角高めのスライダーに真骨頂の右方向への打撃を見せ、これで5試合連続安打だ。

 亀井は開幕2戦目には先発で2安打2打点。体の張りから4試合ぶりに復帰したこの日は、昨年の高橋監督を思い出させるように途中出場で試合を決めた。ユーティリティープレーヤーとしても機能する亀井について、試合後の村田ヘッドコーチは「明日スタメンでいく」と、1日の広島戦(マツダ)での先発起用を明言した。

 先発でも途中出場でも腐ることなくチームのためにベストを尽くす亀井。その姿勢は先輩・木村拓也さんから学んだ。投手以外の全ポジションを守って07~09年のリーグ3連覇に貢献し、内野守備走塁コーチとなった10年4月2日、広島戦前のシートノック中にくも膜下出血で倒れた(同7日に死去、享年37)。2日には実家のある宮崎で七回忌が営まれる予定だ。何度も食事に誘われるなど公私ともにお世話になった先輩について「タクさんは守備も走塁もチームのためにプレーしていた。近くで見て“野球は9人でやるものではない”と教えてもらった」と感謝する。

 村田と亀井。キャンプから若手の岡本、重信と定位置争いをしてきたベテランが結果を出した。菅野に高木勇、クルーズにギャレット…。日替わりでヒーローが出る。「ベンチ(の雰囲気に)に打たせてもらった。去年までにはなかったような感じ」と亀井。就任6試合目で初の延長戦を制した高橋監督は「みんな、ここぞでヒットが出てくれたからこういう試合を拾えた」と言い、最後に「胃は痛くならないですけど、ハラハラドキドキしますね」と苦笑いを浮かべた。(川手 達矢)

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