球児 全開!初ブルペン「安心してください。できてます」

[ 2016年1月30日 05:30 ]

ブルペンで熱のこもった投球をみせる藤川

 阪神の先乗り合同自主トレが29日、沖縄・宜野座村営野球場でスタートした。若手主体のメンバー構成となっている中で、今季から日本球界に復帰する藤川球児投手(35)が初日から存在感を見せた。早速、ブルペン入りし球威抜群のボールを次々に投げ込み、「火の玉」復活を印象付けた。

 火の玉復活ショーは“つかみ”も、完ぺきだった。藤川は、先に投球を終えた能見と入れ替わるように、ブルペンへ歩を進めると、4年ぶりに受けてもらうことになった片山ブルペン捕手からの「久しぶりやなぁ」の声にうなずいた。

 「安心してください。(肩は)できてます」――。

 昨年の流行語大賞トップ10にもランクインされた、とにかく明るい安村の持ちネタを“拝借”しての返答で場の空気を和ませたかと思えば、投球そのものは、言葉のいらない上質な内容だった。ノーワインドアップの投球フォームから繰り出されるボールは、本人が「真ん中低め」など、徹底して意識した低めへ見事に制球された。

 「(確認したのは)みんなと一緒です。(低めへの意識は)ブルペンの話は覚えてないです」

 報道陣を煙に巻きながらも、バチン、という乾いたミット音は「うなりを上げる」という表現がピッタリの球威。歳内、松田ら若虎も投球を食い入るように見つめた。

 今年初めてとなるブルペン投球で投じたのは30球。カーブ、チェンジアップ、クイック投法など1球、1球に意味を込めて、右腕を振った。最後に阪神に在籍した12年も先乗り自主トレ中の1月30日にブルペン入りしており、キャンプインへのアプローチは例年通りと言っていい。

 気になるのは、絶対守護神として君臨したかつての自身を支えた「火の玉ストレート」の現状。13年にはトミー・ジョン手術を受け右肘にメスを入れた。浮き上がるような軌道でバッターをなで斬った独特の直球への影響が気になるなか、片山ブルペン捕手は「変わっているイメージはない。落ちなくて伸びてくる。良いピッチャーしか投げられない低めのボールを投げていた。意識が低めへ強いなと。ボールの回転は素晴らしい。そのままだね」と火の玉復活に太鼓判を押した。

 この日は、投球練習後もランニング、打撃練習など若手に負けじと約5時間、みっちり汗を流した。球数の増加など今後の調整に関しては「言う必要はないと思う。勝負事なので地道にやって、しっかり結果を出していくだけ」と結んだ。

 これまでの抑えとは違い、先発での起用が予想される虎復帰元年。「火の玉」とともに新たな歴史を作る。(遠藤 礼)  

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2016年1月30日のニュース