大谷に洗礼?米キャンプ施設内に“サソリホイホイ”、毒グモも棲息

[ 2016年1月30日 06:30 ]

栗山監督が「サソリホイホイ」と指摘したサソリを駆除するための仕掛け

 日本ハムが大リーグ・パドレスの施設を利用し、今季から実施する春季キャンプで「サソリ&毒グモ警報」が発令された。大谷翔平投手(21)らナインは28日(日本時間29日)、ピオリア入りして施設見学。栗山英樹監督(54)はメーン球場以外にもグラウンド6面を誇る施設に感激した一方で、アリゾナに棲息するサソリを駆除する仕掛けが施設内に設置されていることに驚いた。周辺に毒グモが棲息する衝撃の事実も発覚した。

 アリゾナ州ピオリアの青い空、鮮やかな緑の天然芝。約10時間のフライトで米国初上陸を果たした大谷の目に飛び込んできた。メーン球場に加え、グラウンド6面、豪華なクラブハウス。球団と業務提携するパドレスのキャンプ施設は素晴らしかった。「こっちに来たばっかりなのでよく分からないけれど、(トレーニング器具なども)一式そろっているし、いいんじゃないですか」。花巻東時代からメジャー志向の強い二刀流だけに初めてメジャー施設のスケールの大きさを肌で感じ、表情も柔らかかった。

 その一方で、日本で考えられないこともあった。トレーニングルームの入り口付近には、怪しげな箱が設置されていた。その正体について、栗山監督が説明した。「サソリが出るらしいよ。(刺されると)シビれる。死なないけれど、注意しないとね。ゴキブリホイホイの半分ぐらいの大きさの、“サソリホイホイ”が置いてあった」。つまり、サソリを駆除するための仕掛けである。

 指揮官はヤクルトでの現役時代に同じアリゾナ州のユマで行ったキャンプの記憶を思い出した。「(主砲の)レオン・リーさんが、“シャワーを浴びるところの配水管からもサソリが出てくる”と言っていた。その話を聞いた時、ギョッとした」。アリゾナ州では、日本ハムがキャンプを行うピオリアなどの都市部にはめったに出ないものの、郊外にサソリは棲息する。これには、今季先発ローテーションを目指す斎藤も「サソリが出るって本当ですか?気をつけたい」と驚きを隠さない。

 さらなる事実も発覚した。施設管理を任されるトッド・ステフェンソン球場長は「殺虫剤のスプレーが効かないクモもいる。かまれると中枢神経がやられ、体重30キロ未満の子供だったら、死んでしまうこともある」と話した。球団では1987年以来29年ぶりの海外キャンプ。「状態を見ながらしっかりとやっていきたい」と力を込めていた大谷にとっては、海外キャンプの洗礼となったが、野球漬けとなるには最高の環境であることも確かといえる。「サソリ&毒グモ」との恐怖と闘いながら、二刀流4年目が幕を開ける。 (ピオリア・横市 勇)

 ◆アリゾナ州 米南西部にあり、面積は全米6位の29万5253平方キロ。人口は約673万1000人(14年)。1912年2月に48番目の州として合衆国に加入した。砂漠気候に加えて、北部には雄大な自然の造形美を誇るグランド・キャニオン国立公園を有するなど、多様な地形、気候が存在する。州都は最大都市フェニックス。アリゾナ砂漠にはデザートヘアリースコーピオン、アリゾナバークスコーピオンなどのサソリが棲息。クロゴケグモは毒グモとして知られる。

 ≪キャンプ地の珍生物≫

 ☆ガラガラヘビ 日本ハムが利用するアリゾナ州ピオリアのパドレスの施設に隣接するマリナーズのキャンプ地にはガラガラヘビが棲息。外野フェンス周辺の穴は毒ヘビの巣でトレーナー室には血清が常備されている。

 ☆サソリ&スカンク レンジャーズのキャンプ地・アリゾナ州サプライズではサソリとスカンクが棲息。スカンクが護身のために発射する分泌液を直接浴びると、タイヤが焦げたような悪臭が取れるまで約1カ月を要し、航空会社から搭乗拒否されることもある。

 ☆ワニ メッツのキャンプ地・フロリダ州ポートセントルーシーには大量のワニが棲息。繁殖期で性格もどう猛になるため、「ワニ注意」の看板が球場近くの池の脇に立てられた。

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