マエケン、メジャー挑戦へ 広島がポスティング容認「一番いいタイミング」

[ 2015年12月4日 11:20 ]

大阪市内で開かれる会合に訪れた、米大リーグ移籍を目指すことが決まった広島の前田健太投手

 広島は4日、ポスティングシステムを利用しての前田健太投手(26)のメジャーリーグ移籍を容認すると発表した。鈴木清明球団本部長が広島市南区の球団事務所で会見し、「来年のチーム編成や前田投手の今年の貢献度、来年以降のポスティングシステムの環境面などを総合的に検討した結果、今年、ポスティングによるメジャー移籍を試みることが球団にも前田投手にも、一番いいタイミングと判断した」と明言。前田健本人にも前日3日のうちに容認する意向を電話で伝えた。

 前田健は13年オフの契約更改の席で将来的なメジャー挑戦希望を初めて表明。5年ぶりの無冠に終わった昨季は容認されなかったが、今季は自身2度目の沢村賞、最多勝に輝くなど活躍し、11月24日に再び申し入れていた。以降、球団は内部で慎重に協議を重ねてきた。

 鈴木球団本部長は前田健の譲渡金について「それはまだ」と言葉を濁したが、上限の2000万ドル(約24億8000万円)に設定すると見られる。来週中にも日本野球機構(NPB)を通じて大リーグ機構(MLB)にポスティングでの移籍を申請する予定。先発を強化したいダイヤモンドバックスやカブスなどが獲得に関心を示しており、争奪戦になるのは確実だ。前田健の3年越しの夢が、実現に向けて遂に動き始めた。

 ▽ポスティングシステム 所属球団が容認すれば、海外FA権を持たない選手でも大リーグ移籍が可能となる制度。従来の入札制度は98年12月に発効し、13年12月に現行の新システムに移行した。新システムでは日本の球団が譲渡金を設定し、この額に応じる全ての米球団が交渉可能。譲渡金の上限は2000万ドルで設定後の変更はできない。交渉期間は30日で、交渉が決裂するか、譲渡金額に応じる米球団がなければ選手は残留する。なおヤクルトは11月にバーネットのポスティングを申請し、譲渡金は50万ドル(約6200万円)に設定。複数球団が獲得に興味を示している。

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