マエケン メジャー3球団がPS譲渡金限度額用意か 米メディア報じる

[ 2015年12月4日 05:30 ]

テレビ番組の収録に臨む前田健

 ポスティングシステムでの大リーグ挑戦を球団に直訴している広島・前田健太投手(27)について、FOXスポーツは2日(日本時間3日)、少なくともダイヤモンドバックス、カブス、ヤンキースの3球団は譲渡金として最高限度額の2000万ドル(約24億6000万円)を支払う準備があると伝えた。広島は今週末にもポスティングについての方向性を示す方針。容認された場合、FA市場の主役の一人として争奪戦が一気にヒートアップする。

 日米間のポスティングシステムは13年オフに現行制度に更新され、メジャー球団が日本の所属球団に支払う譲渡金は、日本球団が限度額内で自由に決めることができる。広島球団の「言い値」に応じる全球団が選手と交渉できるが、FOXスポーツによると、獲得に熱心なダイヤモンドバックス、カブス、ヤンキースの3球団は最高限度額2000万ドルを支払う準備をすでに整えたという。

 3球団以外にもジャイアンツ、パドレス、ブルージェイズ、レンジャーズ、ドジャース、ロイヤルズなど10球団以上が獲得に興味を示してきた。その中からレッドソックスは前日にプライス(ブルージェイズからFA)と7年総額2億1700万ドル(約267億円)で合意し、一歩後退した。

 前田健は11月24日に球団事務所で鈴木清明球団本部長にポスティングシステムによるメジャー挑戦を直訴。「可能性があるなら行ってみたい。今だったら手を挙げてくれる球団はあると思う」と話した。15勝(8敗)を挙げた今季はいずれも自身2度目の沢村賞と最多勝を獲得。昨オフは5年ぶりにタイトルなしに終わり「送り出す機運にない」(球団首脳)としてポスティング申請が先送りされたが、十分に実績を残した今オフは、海の向こうでは最高限度額の譲渡金にも応じる構えだ。

 米FA市場はここ数日で急激に動き始め、7日(日本時間8日)からのウインターミーティングで本格化する。譲渡金に5年総額6000万ドル(約73億8000万円)の契約を加え、総額8000万ドル(約98億4000万円)が、米メディアでの前田健の相場。グリンキー(ドジャースからFA)、クエト(ロイヤルズからFA)ら総額で前田健を上回る大物の去就が先に決まれば、逃した球団は前田健獲得への動きを強めることが予想される。2000万ドルの譲渡金に応じる球団は、3球団にとどまらずまだまだ増えていきそうだ。

 ▽ポスティングシステム 所属球団が容認すれば、海外FA権を持たない選手でも大リーグ移籍が可能となる制度。従来の入札制度は98年12月に発効し、13年12月に現行の新システムに移行した。新システムでは日本の球団が譲渡金を設定し、この額に応じる全ての米球団が交渉可能。譲渡金の上限は2000万ドルで設定後の変更はできない。交渉期間は30日で、交渉が決裂するか、譲渡金額に応じる米球団がなければ選手は残留する。なおヤクルトは11月にバーネットのポスティングを申請し、譲渡金は50万ドル(約6200万円)に設定。複数球団が獲得に興味を示している。

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