球児 阪神復帰で強い責任感「負けゲームを作れない球団」

[ 2015年11月25日 05:30 ]

入団会見で四藤社長と握手をかわす藤川

藤川入団会見

 【球児と一問一答】
 ―必要とされる選手になりたいと言っていたが、今回は、どこにそれを感じたのか。

 「球団の方が何度も実費で足を運んでくれて。その回数がタイガースが一番多かった。感謝している」

 ―高知でのプレーがアピールになった。

 「アピールしたつもりはない。つぶれる気持ちで投げていたので。これでつぶれるくらいなら幸せだと思って。全力でやった結果、応援していただいた。その時点で、やるか、やらないかは決めていなかった。でもいろいろな人が(タイガースに)戻ってきてよと言ってくれた。もどかしさがずっとあって、自分が悪いんですと言っていたんだけど。ファンの思いに応えるには情に乗らないというのが大前提だった。早く練習して、きっちり結果を出さなきゃね」

 ―金本監督も結果だと言っている。

 「金本さんには気にしないでくださいと言っている。金本さんは大きなことをしなければいけない。知っている選手一人のために尽力してもらう必要はない。後輩として導ければいいし、一つでも手助けになれば。それが、生きがいでありモチベーション。契約すれば何を言われても仕方ない。甲子園球場での1試合1試合の勝利が大事。負けゲームを作れない球団だからね。勝ってファンに喜んで帰ってもらって、球場のお客さんが増えて、最後に優勝して日本一になる。金本監督もパレードはしたいはず。だから僕も、そう思って来たんだと思う。熱いファンというのは分かっている。お礼をしなくてはいけない」

 ―ファンは当時の勇姿を知っている。

 「05年、80試合投げて、そのころからつぶれると言われ続けてきた。いつも言われる。それが嫌だから、必死でがんばるんです。自分では叱咤(しった)激励だと思っている。150キロでリリーフですか、とファンに言われる。でもそれを決めるのは監督、コーチ。自分は次の一歩を踏み出さなければいけない。与えられた役割が出来るように。出来なければ力がないだけ」

 ―4年ぶりの復帰。

 「自信はある。でも、不安があるから練習する。不安がない選手なんかいないと思うし、不安がなくなれば辞める時だと。練習をした結果で、ゲームの時に一番自信のある一球を投げることにつながる。甘えることはない」

 ―トレーニングは。

 「もちろん始めている。合意のときからね。2カ月休んだから。目標が出来たのでね。目標がなければ出来ないよ」

 ―会見で涙はこぼれていないと言った。

 「あれは人情。アスリートだから伝えなければいけないことは分かっている。タイガースはずっと(心の中に)あった。死ぬまであると思う。人情をもらっているのに返せないから今は苦しい」

 ―矢野作戦兼バッテリーコーチとも絆は深い。

 「矢野さんの占めるウエートっていうのは、新しいタイガースでは相当大きなものになると金本監督もおっしゃっていた。矢野コーチのやりたいこと、自由に使っていただけるくらい状態をしっかり整えるということ」

 ―右肘を手術して3年になる。

 「古い話やね。問題はないですよ。でも(ファンは)見ていないからね。僕は見せないといけない立場。(来年)2月まで待ってもらわないと。不安があるから頑張れるのかな。楽しい楽しいと余裕持っていたら(失敗して)転がるからね。自分の体のことは自分が分かっているつもり」

 ―目標は?

 「監督も大変だと思うけど、邪魔にならないように前向きに。最後はファンが一番喜ぶ形でやれればいい。その中にたとえ自分が入っていなくても構わない」

 ―甲子園で投げる姿は想像する?

 「まだないですね。どう練習して、どう仕上げていくか、ゼロから始めるので。シーズンが終わればすべてゼロ。毎年そうしたから、タイガースという人気球団でも長く続けられたんじゃないかと。毎年オンとオフのスイッチをしっかりすることで、やらなければいけない覚悟ができる。そういう気持ちでやれば、今メディアのみなさんが気にしている世代交代も含めて、何も言わなくても分かると思う」

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