【田淵幸一氏大分析1】切れないデホ弾 内角球を叩いて乗せる

[ 2015年10月30日 11:30 ]

<ソ・ヤ>4回1死三塁、左越えに先制2ランを放った李大浩

SMBC日本シリーズ2015第5戦 ソフトバンク5-0ヤクルト

(10月29日 神宮)
 ソフトバンクが2年連続で日本一を決めたシリーズ第5戦。元ダイエー監督でスポニチ本紙評論家の田淵幸一氏(69)は、4回の李大浩(イ・デホ)の先制2ランはまさにMVPにふさわしい技術力と指摘。ボールを叩いて乗せる、李大浩ならではの内角のさばき方を解析した。さらにソフトバンクの強さの秘密にも言及した。

 その瞬間、私が日本代表のヘッド兼打撃コーチを務めた08年・北京五輪の韓国戦で、李大浩が和田毅の内角球を運んだ本塁打がよみがえった。

 腰を回して、肩を残して、バットを押す

 4回1死三塁からのソフトバンク・李大浩(イ・デホ)の先制2ランは技術の高い内容だった。ヤクルト・石川の内角に切れ込んでくるカットボールに対し、左肩を残しながら球道を探し腰を回した。ボールがバットに長くくっついている感じで、最後に両肘が伸びてフォローで持っていく。“叩いて乗せる”というホームランバッターの特性ともいえる打ち方だった。

 私も阪神での現役時代に、故・山内一弘打撃コーチに3年間、内角球のさばき方として「腰を回して、肩を残して、バットを押す」と言われ続けた。「バットを押す」とは、つまり手首を返さないということ。ゴルフに例えるなら、バンカーショットのイメージだ。言わば李大浩の放った打球はフェードボール。打球が落下直前に速度を失いながらも打者の利き腕(右)側にわずかに曲がる。だから右翼方向からの風に負けず、左翼ポール際でファウルゾーンへ切れずにポールを巻いた。もともとが前でさばく打者ではなく、呼び込めるだけ呼び込んで打つタイプだが、それにしても見事な内角打ちだった。

 ヤクルトバッテリーの立場からすると、この場面で初球から4球連続で内寄りのカットボールを選択したが、配球自体は間違っていない。犠飛でも先制点が入るケース。詰まらせて内野にポップフライという狙いだったのだろう。ただ、悲しいかな石川の球威ではしっかりボールを見られてしまった。

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