【田淵幸一氏大分析2】ソフトB打線 フルスイングと軽打の使い分け

[ 2015年10月30日 11:32 ]

<ヤ・ソ>3回1死一、二塁、山田は空振りの三振に倒れる
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SMBC日本シリーズ2015第5戦 ソフトバンク5-0ヤクルト

(10月29日 神宮)
 ヤクルト打線とソフトバンク打線の違い ヤクルトは山田の3回の打席に象徴されるように、思い切りの良さがなかった。3回1死一、二塁の先制機で初球。ど真ん中のスライダーを見送り、フルカウントからの9球目も真ん中高めのスライダーを空振り。スタンリッジは球種が少なく直球とスライダーが主体。確率としては1/2で狙い球が絞れるはずだった。ホームラン打者は大抵3、4球目までに仕留めるもので、初球の見逃しは痛かった。

 一方のソフトバンク打線は5戦を通じて、追い込まれるまではフルスイング。その後は軽打で逆方向に打っていた。これは大舞台での経験の差でもあり、経験が度胸を生む。さらに光ったのが選球眼の良さだ。際どいコースのボールはカットし、フォークなど沈む勝負球は見極めて振らない。いろんなタイプの投手がいる限り、打者は1つのタイミングの取り方では打てない。石川のように球速の遅い投手に対しては、足を上げるのを遅らせて間を取るなど各自が引き出しを持っている。タイミングの取り方がうまい選手は選球眼も良いのだ。今シリーズのソフトバンクは5戦中4戦で4回に得点を挙げているが、これも偶然ではない。卓越した対応力、修正力が2巡目の打席で発揮されているからに他ならない。

 ≪5戦中4戦4回に得点≫ソフトバンク打線は今シリーズ5試合中4試合で打順が2回り目にあたる4回に得点した。レギュラーシーズンでは(1)90(2)79(3)65(4)85(5)74(6)49(7)99(8)47(9)48(10)以降15と7回の得点が最も多かったが、対戦データの少ないセ・リーグとの交流戦に限れば(1)9(2)14(3)8(4)16(5)7(6)6(7)12(8)8(9)6(10)以降4、と4回に一番得点していた。

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2015年10月30日のニュース