デホ　ビデオ判定ＭＶＰ弾　内川の穴埋める３度目Ｖ打「これで眠れる」

＜ヤ・ソ＞４回１死三塁、ビデオ判定で左越え２ランが認められた李大浩（右）はガッツポーズ

ＳＭＢＣ日本シリーズ２０１５第５戦 ソフトバンク５－０ヤクルト

（10月29日 神宮）
　声が弾む。表情がほころぶ。「連覇できてうれしい。これでぐっすり眠れると思う。ＭＶＰはチームメートのおかげ。僕は（走者を）還すだけでした。活躍できたことはうれしい」。ソフトバンク・李大浩（イ・デホ）はヒーローインタビューで満面に笑みを浮かべた。

　日本シリーズ初の出来事が起こったのは４回だった。１死三塁の好機で高めに甘く入ったカットボールを捉える。快音を残した打球は左翼ポール上空へ。フェアかファウルか微妙なアーチが夜空に架かった。線審は本塁打と判定。ダイヤモンドを回り、仲間と喜びを分かち合っていたが、ビデオ判定となり、しばし待たされることになった。

　「ホームランで再開します」。責任審判員のアナウンスが球場に響きわたると、工藤監督はベンチでガッツポーズして大喜び。拳を握りしめて歓喜した李大浩は「文句なしの当たり。切れるかどうかだけでした」と喜んだ。

　内川の代役として第１戦から４番に入った。第２戦で先制２ラン、第４戦で３安打４打点、そしてこの日は先制２ランとシリーズ３度目の決勝打をマーク。左肋骨骨折のため欠場を余儀なくされた内川とは同じ８２年生まれで「自分にとって凄く大きい存在。外国人としてここに入って、みんなとなじんでできたのも内川選手のおかげ」と感謝している。自身も首痛で第３戦では途中交代したが「自分も抜けたら打線は弱くなる」と鼓舞してバットを振り続けた。

　計８打点は５試合で終わったシリーズでは史上最多で、９６年のニール以来となる外国人選手のＭＶＰだ。賞金５００万円について聞かれ「皆さんと食事をしたい」とチームメートと祝宴を挙げたいと笑った。移籍３年目の来季もオプションを行使してソフトバンクに残留する見通し。頼りになる大砲が、３年連続日本一へとチームを導く。

　≪外国人８人目≫李大浩（ソ）が４回に決勝の２号２ラン。第２戦の本塁打、第４戦の安打に続き今シリーズ３度目の決勝打でＭＶＰに選ばれた。同一シリーズで勝利打点３度は最多タイで、９０年デストラーデ（西）に次ぎ２５年ぶり２人目の快挙。決勝アーチ２本は０４年和田（西）以来６人目になる。今シリーズは合計８打点で、５試合決着のシリーズでは７１年末次（巨）、０１年ローズ（近鉄）、０６年稲葉（日）の７打点を上回る新記録。４打点の昨季に続き、２年連続でシリーズ打点王と連覇に大きく貢献した。なお外国人のシリーズＭＶＰは、９６年ニール（オ）以来８人目。