柳田、トリプル3確実!憧れ野村&金本氏と同じ領域「幸せなこと」

[ 2015年9月16日 05:30 ]

<オ・ソ23>5回1死一塁、柳田は今季30個目の盗塁を決める(左は遊撃手・安達)

パ・リーグ ソフトバンク1-6オリックス

(9月15日 京セラD)
 快挙を後押しする、見えない力を感じた。3点を追う5回1死、ソフトバンク・柳田は右前打で出塁し、次打者・内川の2ボールからの3球目にスタートを切った。その時だ。敵地・京セラドームで湧き上がった声援に背中を押されるような感覚を覚えた。

 「(二塁へ)スタートした瞬間、ファンの方から凄い歓声をもらった。それで足が進んだ。びっくりしたし、幸せなことやなと思いました」

 二塁ベースへ右足から滑り込み、今季30個目となる盗塁成功。打率・369、32本塁打で、残るは盗塁だけだったトリプルスリー(3割、30本塁打、30盗塁)の条件を満たした。

 広島出身で少年時代から野村謙二郎氏、金本知憲氏(いずれもスポニチ本紙評論家)のトリプルスリー達成者に憧れた。広島経済大での卒業論文は「広島カープの経済効果」という根っからのカープ男子だ。バットは金本氏のモデルを使用している。雲の上の存在だった2人と同じ領域に、プロ5年目で足を踏み入れた。

 天性の身体能力は高校時代から光っていた。広島商で柳田を指導した迫田守昭監督(現広島新庄監督)は、2年時の姿を鮮明に記憶しているという。「練習試合で盗塁をさせた。難しい状況と思ったが、いとも簡単に成功させた。これほど(の能力)かと思った」。2年連続で30盗塁に到達しプロでもずぬけた脚力を示した。大学時代には金本氏と同じ広島市内のジムに通い、その激しいトレーニングを横目に見ながら鍛えた。高校卒業時に68キロだった体重は、継続するトレーニングの成果で現在92キロ。昨季は15本で3部門で唯一足りなかった本塁打の数は倍増した。

 「(トリプルスリーは)できるとは思ってなかった。もっともっと練習し、凄い選手になりたい」。無限の可能性を秘める26歳はさらなる高みを目指すと力強かった。(福浦 健太郎)

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