藤浪200K突破 阪神の日本人右腕では小林繁以来36年ぶり快挙

[ 2015年9月16日 05:30 ]

<神・中>8回2死満塁、代打・小笠原(左)を打ち取り小さくガッツポーズする藤浪

セ・リーグ 阪神3-0中日

(9月15日 甲子園)
 阪神・藤浪晋太郎投手(21)が15日、中日戦で8回を無失点と好投し、ハーラートップタイの13勝目をマーク。チームの連敗を3で止め、首位・ヤクルトとの0・5ゲーム差を守った。気迫あふれる投球を見せた藤浪は9三振を奪い、リーグトップの奪三振数は3年目で初めて200の大台を突破。球団の日本人右投手では79年・小林繁以来、36年ぶりの快挙となった。勝率と合わせてリーグ3冠に立つ21歳が阪神の命運を握る。

 一球一球に藤浪は魂を込めた。ハイライトは2―0とリードした8回だ。1死二、三塁のピンチを迎えたが、4番・平田を内角直球で空振り三振。四球で2死満塁となり、代打・小笠原には全球直球勝負を挑んだ。

 「逃げる、かわすというより、しっかりストレートで。一番自信があるので」。全て150キロを超え、フルカウントからの6球目は154キロで三飛。右拳を強く握った。

 8回を7安打無失点で、広島・前田健に並ぶリーグトップの13勝目。何より、1分けを挟んで3連敗中の苦境のチームを救った。「流れが良くない中、チームとしてもいい勝ち方ができた」。シーズンが終盤に差しかかるにつれ、凄みを増してきた藤浪の投球。甲子園に限れば、5月から自身7連勝で、登板試合のチームは11連勝となった。

 勝負どころでの集中力は強打者にもまれながら養われている。例えば村山と長嶋、江夏と王、野茂と清原――。藤浪も例外ではない。6月10日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)。この日、トリプルスリーを確実にした柳田との対戦を通して一段階、ステップアップを果たしていた。

 「ソフトバンク打線の重圧は本当に凄かった。その中でも柳田さんは一発もあるので特に神経を使いました。“いい球”を“いいコース”に決めないと抑えられない。集中して投げました」

 強打者との対戦では、わずかな誤差が「生死」を分ける。そこで磨かれた集中力が、今に生きている。

 この日9個を加え、シーズン奪三振は200の大台を突破(201)した。セ・リーグ日本人投手では04年の阪神・井川慶以来11年ぶりで、球団の右腕では79年の小林繁以来36年ぶりの快挙。高卒3年目での到達は松坂大輔、ダルビッシュ有と同じペースだ。藤浪自身は、三振にこだわりはないというが「一番確実な手段。球の成長が出ている。直球、変化球の精度が上がっているのが数に表れている」と手応えは感じている。 奪三振に加え、勝利数、勝率でもリーグトップに立ち投手3冠も視野に入る。だが藤浪にはもっと大事なことがある。

 「タイトルは、獲れるに越したことはないが、今は自分が投げる試合で勝つことが大事。この位置にいるのは幸せなこと。ここまで来たら、何としても優勝したい」

 リーグ制覇へ、残り14試合。阪神で今、一番頼りになるのは紛れもなくこの男だ。

 ▼79年の阪神・小林繁 「空白の1日」とも呼ばれる江川事件に端を発して巨人から突然のトレードで阪神に移籍。移籍初年度で22勝9敗、防御率2・89の好成績で最多勝、沢村賞、ベストナインを獲得し、自身唯一のシーズン200奪三振も達成した。同年は特に巨人戦にめっぽう強く、9試合に先発して、3完封勝利を含む8勝0敗、防御率2・19だった。

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