マー君の原点 高校時代の恩師の言葉「環境のせいにするな」

[ 2015年8月13日 08:19 ]

ヤンキース・田中

 ヤンキース・田中将大投手の原点となっている言葉がある。駒大苫小牧時代の恩師・香田誉士史監督(現西部ガスコーチ)の「環境のせいにするな」という言葉だ。

 香田元監督が、興南の我喜屋(がきや)優監督に冬場の練習法を相談した際、雪上ノックを行うようにアドバイスされたのは有名な話。雪国の常識を打ち破る練習法は今では同校の伝統となり、04、05年と夏の甲子園連覇につながった。田中は高校時代を振り返り、「それ(環境のせいにするなという言葉)は口酸っぱく言われていましたね。だから、環境のせいにしないためにも雪の上でいろいろやったりしましたし。それは自分たちでできることですからね」と当時を回想する。

 だから、田中は環境を言い訳にしない。むしろ、敗戦後の取材の方が敗因などを冷静に分析し、よく話す印象すらある。右手首の腱炎と右前腕部の張りからのメジャー復帰を目指していた5月27日の3Aポータケット戦ではマウンドの土がごっそりとはがれるハプニングが発生した。3回で1本塁打を含む4安打3失点の結果は、整備不良のマウンドにも要因があることは明らかだったが、「思い通りにいくわけではなかったですけど、打たれているボールと四球もありましたしね。状態自体は特に悪いわけではなく、ちょっとしたところですね」と淡々。「こう(マウンドの修復をお願いする合図を)やったんですけど、何も反応してくれないから、これは投げろということなのかな」と笑い飛ばす余裕すらあった。

 今では戦いの舞台を米国に移し、ヤンキースのエースとして大きな期待を背負う田中。どれだけ月日が流れても、高校時代に恩師から教わった言葉が今でも胸に刻まれている。元高校球児の記者も、担当の大リーグ取材から一時離れ、甲子園取材に場所を移している今夏。球児の胸に刻まれている金言を少しでも多くの読者の方に伝えていきたい。(東尾 洋樹)

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2015年8月13日のニュース