作新・添田4安打4打点 1メートル70小兵が肉体改造でパワーアップ

[ 2015年8月13日 05:30 ]

<上田西・作新学院>初回2死、添田は左前打を放つ

第97回全国高野球選手権第7日・2回戦 作新学院10―6上田西

(8月12日 甲子園)
 代表49校の大トリで登場した作新学院が、17安打10得点。猛打の中で、ひときわ輝きを放ったのが3番・添田だった。甲子園2年分の自身の安打数を1試合で超えた。

 「しっかりスイングして強い打球が打てた。甲子園はアウトコース(のストライクゾーン)が広いので、踏み込んで打つことを意識していた」

 同点に追いつかれた直後の5回無死二、三塁。追い込まれながらも、外角低めのチェンジアップを拾って左前に運んだ。決勝の2点適時打。さらに7回無死一、三塁では外角直球を左中間に運ぶ適時三塁打。逆方向への3安打を含む4安打4打点と大暴れした。

 1年夏からレギュラーで3年連続の出場。ただ、過去2年間は4試合で計12打数3安打と結果を残せなかった。1メートル70の小兵で体の線も細く、「試合終盤は必ずバテて声も出せなくなっていた」。そこで一念発起して肉体改造。1食2合の米を食べることに加え、週5回の筋力トレーニングを敢行。昨夏より10キロ増の72キロとなり「スイングスピードが上がって打球の質が変わった」。ベンチプレスも20キロアップして85キロを持ち上げられるようになった。

 添田は栃木下野リトルシニアに所属していた中3時の12年にはU―15アジアチャレンジマッチで日本代表(侍ジャパン)入りし、「1番・遊撃」としてアジア一に貢献。その時のエースが、東海大相模の小笠原だった。

 「プロに注目されている投手だからやってみたい」。5月に東海大相模に1―5で敗れた関東大会準々決勝では、小笠原に登板機会がなく初対決は持ち越された。来るべき日に備えて、神奈川大会決勝もわざわざテレビ観戦したという添田。その顔には“待ってろ、小笠原”と書かれていた。 (東山 貴実)

 ▼ロッテ・岡田(02年度卒)小針監督は高校時代の1学年先輩ですし、母校の初戦突破は本当にうれしい。後輩たちには1つでも多く勝ち上がってもらいたい。

 ◆添田 真海(そえだ・まなみ)1997年(平9)6月19日、栃木県生まれの18歳。小3から今二ブルーソックスで野球を始める。今市中では下野リトルシニアに所属し、全国大会8強。作新学院では1年春からベンチ入り。家族は両親と弟、妹。1メートル70、72キロ。右投げ左打ち。

 ≪しんがり校≫最後の登場となった作新学院が勝ち上がりの上田西に勝ち、35校目となる夏通算20勝。78年に49代表制となって以降の「しんがり校」は通算10勝28敗1分けで、2桁得点を挙げたのは初めて。

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