三浦番長 8回零封2勝、打で王さん超え!投手初23年連続安打

[ 2015年5月21日 05:45 ]

<ヤ・D>8回を無失点に抑えガッツポーズする三浦

セ・リーグ DeNA2―0ヤクルト

(5月20日 神宮)
 DeNAは20日、ヤクルト戦で三浦大輔投手(41)が投打に活躍して連敗を2で止め、貯金を10に戻した。2回の中前打で、史上5位タイの23年連続安打を達成。投球では8回を4安打零封し、前回登板した5日の同戦(横浜)に続き2勝目を挙げた。
【試合結果】

 打って、投げて、チームを勝利へと導く。10代、20代、30代、そして41歳となった現在も、三浦のプレースタイルに変わりはない。神宮の三塁側ファウルゾーンをロッカーに向けて引き揚げる番長に、DeNAファンから大歓声が降り注いだ。

 「相手どうこうより自分の投球をしようと思っていた。たくさんの声援に応えられてうれしい」

 5日の今季初先発で史上3人目の23年連続勝利を記録したばかりの男が、今度はバットで金字塔を打ち立てた。2回2死の第1打席だ。新垣に2ストライクと追い込まれながら3球目の143キロの外角直球に食らいつき、中前打を放った。史上9人目、歴代5位タイの23年連続安打。あの王貞治(巨人、現ソフトバンク球団会長)の22年連続も超え、自身の投手最長記録を塗り替えた。

 「本職」でも魅せた。12日の天候不良による中止の影響で、中14日での登板。1週間前に実戦を想定したブルペン投球を実施し、難しい調整を克服した。「“先週投げた”と暗示をかけた。一応(プロ)24年目なんで」。直球の球速は130キロ台も抜群の制球力を発揮。4回1死三塁ではコーナーを丹念に突いて後続を斬り、8回2死二、三塁でも外角のフォークで上田を遊飛に抑えた。8回まで2点のリードを守り、4安打無失点。山崎康に後を委ねて2年ぶりの完封は逃したが、貫禄十分の投球だった。

 世界の王を超える一打にも三浦は「王さんは偉大すぎる。比べてはいけない」と打撃の記録には口が重くなる。それでも実働年数の長さには強い誇りを持ち、尊敬する投手は今年でプロ32年目、8月で50歳となる中日・山本昌だ。大先輩は3月上旬に右膝を痛めた影響で2軍調整が続くが「昌さんがいる限り自分はベテランではない。本当に勇気をもらってる」と感謝する。過去8度の投げ合いは5勝無敗。その存在が三浦を突き動かす。

 「年々、体が動かなくなる」と言う。かつては15分で終えていたストレッチに、今は30~40分をかけ、左足首を痛めた2年前からは完治後も故障防止のために同箇所にテーピングを施すようになった。全ては1年でも長く現役を続けるため。98年の日本一を知り、その後の低迷期もチームを支えたベテランは、ナインの「教材」だ。

 昨季まで9年連続Bクラスのチームが首位を快走中。3連敗を免れ、貯金を10に戻した。「誰、というよりも一丸でチームは戦えている」。百戦錬磨の三浦が、チームを再び上昇気流に乗せた。

 ▼DeNA・中畑監督(三浦)大輔に尽きる。チームの屋台骨を背負っている選手。

 ≪歴代5位タイに≫ 三浦(D)が2回の打席で今季初安打。これでプロ2年目の93年から23年連続安打となり、張本(ロ)ら4人と並び歴代5位タイに浮上。投手としては小山(大洋)の21年連続をすでに上回っており、自身の記録を更新した。

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