ハム浦野が復活!今季初勝利に「これからはフル回転でいく」

[ 2015年5月21日 05:30 ]

<楽・日>増井からウイニングボールを受け取る浦野

パ・リーグ 日本ハム3―1楽天

(5月20日 コボスタ宮城)
 浦野が復活!再びゲーム差なしだ。日本ハムは20日、先発の浦野博司投手(25)が楽天打線を相手に8回途中まで1失点と好投。右肩痛で出遅れていた右腕が今季2試合の登板で、復活の今季初勝利を挙げた。逆転負けした前夜の嫌な空気を振り払い、首位・ソフトバンク、2位・西武とゲーム差ゼロ。昨年ルーキーで7勝の右腕が帰ってきて、首位争いから抜け出す態勢が整った。

 すべての邪念を振り払って、浦野は腕を振り抜いた。「どんどん打たせていこう。マウンドに上がったら、気持ちを入れて投げればいい」。目の前の打者を仕留めることだけを考えた。

 4回、味方守備の乱れで無死三塁から銀次に左犠飛を許したが、「打線が絶対に逆転してくれる」とつぶやいた。同点の7回1死では139キロ直球でペーニャのバットをへし折ったが、力ない飛球が右前打となった。そんなときも「落ち着いて気持ちを入れ直した」と冷静さを保って、後藤を遊ゴロ併殺に斬った。

 打線が8回に近藤の押し出し四球で勝ち越すと、その裏のマウンドにも上がった。7回2/3を4安打1失点。12日の西武戦(札幌ドーム)に続く今季2度目の先発で、昨年8月29日のロッテ戦(東京ドーム)以来の勝ち星を手に入れた。遅れてきた男が、やっとつかんだ今季1勝目だった。

 昨季はルーキーながら7勝をマークし、今季は2桁勝利と1年間ローテーションを守ることを最低条件に掲げていた。ところが、調整登板となった3月24日のイースタン・リーグ、巨人戦(ジャイアンツ)後に右肩違和感を訴え、「右肩三角筋後部筋挫傷」と診断された。「今年はやらなくてはいけない。結果を残して当たり前」と誓っていただけに落ち込んだ。

 2軍でリハビリに取り組みながらも「出遅れて情けない」と自分を責めた。それでも自宅に戻れば、愛知学院大時代から交際し、昨オフに結婚した愛妻が待っていた。「自分がストレスをためていたときも、普段と変わらないように接してくれた。手料理で栄養管理もしてくれた。ケガをしていた間、本当にお世話になった」と最愛の人へ贈る1勝ともいえた。

 チームにとっても浦野の復活は大きい。しかも、前夜はセットアッパーの左腕・宮西が今季初のイニングまたぎをしながら逆転負け。ブルペン陣が苦しい中で、8回途中まで粘ってくれた。栗山監督も「これで浦野も安心しただろう」と笑顔を浮かべる。

 遅れてきた右腕の熱投がもたらした白星で、チームも再びソフトバンク、西武とゲーム差なし。首位争いがし烈を極める中で浦野は言った。「これからはフル回転でいく」。これ以上ない、頼もしい言葉だった。

 ≪上位3チームが0ゲーム差≫首位・西武が敗れ、2位・ソフトバンクと3位・日本ハムが勝利。ソフトバンクが首位に返り咲き、17日に続いて再び上位3チームが0ゲーム差以内にひしめく大混戦となっている。

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