新生・専大26年ぶりV 新ユニホーム&「専大8種」トレで成長 

[ 2015年5月21日 05:30 ]

<拓大・専大>優勝を決め胴上げされる専大・斎藤監督

春季東都大学野球第7週第2日 専大1―0拓大

(5月20日 神宮)
 2回戦2試合が行われ、専大が拓大を1―0で下し、勝ち点4として89年春以来52季ぶり32度目のリーグ優勝を飾り、リーグ最多優勝記録を更新した。1部に昇格したシーズンでの優勝は69年春の日大以来46年ぶり2校目。2番手で登板した大野亨輔投手(4年)がリーグトップタイの4勝目を挙げるなど、3投手による完封リレーで逃げ切った。専大は6月8日開幕の全日本大学野球選手権に出場する。

 宙を舞いながら、さまざまなシーンが頭に浮かぶ。昨秋の入れ替え戦の激闘、冬場の厳しい練習風景…。ナインの手で胴上げされた斎藤正直監督は、そっと涙を拭った。

 「26年…。選手たちがよく耐えて栄冠を勝ち取ったことがうれしい」

 大一番に合わせて大学の一部学部が休講になり、三塁側応援席には約3000人が詰めかけた。初回2死三塁から4番・浜田が左翼線を破る先制二塁打。この1点を3投手が守り切った。

 広島・黒田ら多くのプロ野球選手を輩出する伝統校が、89年を最後に優勝から遠ざかった。99年秋以降はほとんどが2部で、神宮でしのぎを削る1部の選手に、技術だけでなく体格面でも劣るようになった。

 そんな中、14年2月に斎藤監督が就任。「選手は地に足が着いていない感じだった。“バタバタするな”と言ってきた」。昨秋に入れ替え戦で青学大を破り4季ぶりに1部昇格を果たした。川崎製鉄千葉(現JFE東日本)の監督を4年間務めた後は、営業職を16年こなした。人心掌握など、グラウンド外で学んだことは指導に生きた。

 オフには「専大8種」と呼ばれるトレーニングを導入。腕立て伏せ、スクワット、スタンスを広げての素振りなど、2時間動き続ける8種類の過酷なメニュー。投手陣は連日10キロのロードワークをこなした。誰も音を上げなかった。3本塁打を放った5番・渡辺は「選手1人1人を信頼してくれる。監督のために勝ちたいと思えるような監督」と言えば、高原主将も「自分たちが緩みそうなときは厳しくしてくれる」と指揮官に感謝した。

 ユニホームは今春から大リーグのアスレチックスに似たタイプに変更し「緑に昇る太陽のイメージ。伝統もあるが、新生・専修大学と割り切った」(斎藤監督)。3度のサヨナラ勝ちに、5度の1点差勝利。10試合で7失策と堅い守りも光った。「選手がよくやった。私はベンチで偉そうにしているだけ」と、教え子を頼もしげに見つめた。

 ▽専大野球部 1925年(大14)に創部。31年にスタートした東都大学野球リーグの初代王者。65年に全日本大学野球選手権優勝。神奈川県伊勢原市のグラウンドは今年3月に全面人工芝に改修

 ▼中大・秋田秀幸監督(専大は)投打がかみ合っていた。投手陣は内角にバンバン攻められる。それで打ちあぐんだ。

 ▼亜大・生田勉監督(専大について)打力のチーム。クリーンアップがきちんと機能していた。

 ▼拓大・内田俊雄監督(2勝9敗1分けで最下位が確定)チーム一丸になれなかった。投手陣は万全な状態で投げられなかった。

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