大谷 三刀流いける!「もっと成長」Sラグビー英雄から勧誘

[ 2014年12月11日 05:30 ]

アシックススポーツ工学研究所での体力測定を終えた大谷(右)は、ラグビー豪代表のフォラウと笑顔で肩を組む

 ラグビー界のスーパースターも二刀流ボディーにほれ込んだ。日本ハム・大谷翔平投手(20)が10日、神戸市内のアシックス社スポーツ工学研究所で筋力や足形などを初めて本格的に計測した。同じく測定のために来日していたラグビーのオーストラリア代表フルバックで、世界最高峰のリーグ「スーパーラグビー(SR)」でも活躍するイズラエル・フォラウ(25)と対面。ラグビー界に勧誘される一幕もあった。

 野球界とラグビー界の「二刀流男」が初対面した。身長は同じ1メートル93ながら、大谷はオーストラリア代表のフォラウのがっちりした肩幅、太い腕、太腿回りに圧倒された。フォトセッションで肩を組んだ際には見上げる形となり「凄い体をしていた」と目を丸くした。

 今回、大谷は契約するアシックス社のスポーツ工学研究所を訪れ、足形、体形や筋力を測定。投球や打撃を動作解析するための撮影も行った。その際、同じく同社と契約するフォラウと偶然顔を合わせ、その体格に目を奪われた。しかし、ラグビー界で最も注目を集める男も同じアスリートとして大谷の将来性を感じ取った。

 「オオタニは背も高いし、もっと成長するだろう。ラグビーでもプレーできるよ。ポジションはフルバックとかかな。そうなるとライバルになっちゃうけど」

 フォラウは世界最高峰のリーグと称されるスーパーラグビーで、シドニーを本拠地とするワラタスに所属。チームは今季初優勝を飾り、自身はMVP級の活躍を見せた。実はフォラウ自身も「二刀流」のアスリート。かつては、オーストラリアの国技であるオーストラリアン・フットボール(通称オージーボール、18人制)でもプレーしていたが、15年W杯を目指すために昨年からラグビーの道を選択した。そんな超一流選手からのまさかのラグビー界勧誘に、大谷は「ラグビーは見たことないですけどね。でも今後は野球だけでなく、いろいろなスポーツの人の計測の結果とかも(自分と)比べてみたいですね」と笑って話した。

 2年目の今季は、日本人初の2桁勝利&2桁本塁打(11勝&10本塁打)をマークするなど投打ともに進化を遂げた。大谷自身「筋力?確実に成長しているとは思います。それが成績が伸びた要因でもある」と手応えをつかんでいる一方で「まだ足りないと思う部分もある」。自身初となる体の詳細な数値測定は、さらなる成長への伸びしろ部分を探るため。検査結果は後日、届く予定で「ここがベースになる。これを基準に何をしないといけないのか底上げにしたい」と話した。

 より高いパフォーマンスを発揮するために、この日は投打それぞれで使用するスパイクなどの改良点などについても話し合った。ラグビー界のスーパースターも太鼓判を押した肉体をさらに進化させれば、自身が持つ162キロの最速記録更新と、ベーブ・ルースが1918年に記録した「13勝&11本塁打」超えにも期待がかかる。二刀流に挑戦している限り、妥協することなく突き進む。 

 ◆イズラエル・フォラウ 1989年4月3日、オーストラリア・ニューサウスウェールズ州生まれの25歳。17歳でラグビーリーグ(13人制)でプロデビューし、オーストラリア代表として国際大会を経験。09年にオーストラリアン・フットボールに転向したが、13年から15人制ラグビーに再転向し、スーパーラグビーに所属するワラタスに移籍。2位タイの8トライを挙げ、最優秀新人賞を獲得した。ポジションは主にフルバック。1メートル93、103キロ。

 ▽スーパーラグビー オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカの南半球3カ国で毎年2~7月に行われている世界最高峰のプロリーグ。96年に3カ国から12チームが参加しての「スーパー12」が発足。06年に2チームが新規参入し「スーパー14」に、11年に15チームとなり「スーパーラグビー」と改称した。16年からは18チームに拡張され、日本も参戦が決定済み。13年からは日本代表のSH田中史朗、フッカー堀江翔太(ともにパナソニック)ら日本人プレーヤーも活躍している。

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