森脇監督 ドラ1明大・山崎にホレボレ「枠に入って競争できる」

[ 2014年11月16日 05:30 ]

<明大・徳山大>明大先発の山崎

第45回明治神宮野球大会第2日・大学の部準々決勝 明大9―0徳山大

(11月15日 神宮)
 高校の部2試合、大学の部2試合が行われた。昨年準優勝の明大は徳山大に9―0の7回コールド勝ちで4強入り。今秋ドラフトでオリックスから1位指名を受けた山崎福也(さちや)投手(4年)は、森脇浩司監督(54)が視察する中、5回3安打無失点7奪三振の好投を見せた。東農大北海道オホーツクは京産大を3―0で下し、2度目の出場で神宮大会初勝利を挙げた。

 マウンドの山崎が意識していたのは、相手の打者だけではなかった。ドラフト1位で指名した左腕の投球を見るために、わざわざ神宮に駆けつけたオリックス・森脇監督。ネット裏からのその視線を感じていた。

 「見に来てくださってうれしい。(監督が見ていることは)意識していた。できればノーヒットぐらい、いきたかったですけど…」。3回まではパーフェクト。大量リードの展開とあって、5回3安打無失点でマウンドを譲った。秋のリーグ戦では不調で1勝にとどまったが、ドラフト後も気を緩めずに連日のブルペン入り。最速142キロを軸に、縦に割れるカーブで毎回の7三振を奪った。

 森脇監督が「スイッチが入ったね」と絶賛したのは4回だ。味方の失策で2死一、二塁のピンチを迎えたが、5番の菅元をカーブで空振り三振。「エラーで(走者が)出たけど、変化球で三振を取った。気持ちのコントロールがしっかりできている」と目を細めた。

 普段の穏やかな姿とは対照的な負けん気の強さと動じない精神力も持ち合わせている。中3時に生存率10%と診断された脳腫瘍を克服した山崎。森脇監督は「いろんなことを乗り越えてきただけある」とうなずき、「ウチの投手陣に必ず食い込んでくる。東明、吉田の枠に入って競争する力がある」とローテーションの5、6番目を争わせる構想を明かした。

 それでも山崎の自己採点は「70点。ヒットを打たれたので」。昨年の大会は決勝に進出も、亜大に1―2で惜敗して涙をのんだ。「昨年悔しい思いをしているので、絶対日本一になりたい」。山崎にはプロ入り前に、やることがある。

 ▼徳山大・高木主将(山崎は)今まで見たことがないような変化球の曲がり方だった。

 ◆山崎 福也(やまさき・さちや)1992年(平4)9月9日、埼玉県生まれの22歳。小2から野球を始め、向陽中では所沢中央シニアに所属。日大三では3年時にセンバツ準優勝。明大では1年秋にリーグ戦デビュー。通算61試合20勝10敗、防御率2・20。1メートル87、88キロ。左投げ左打ち。父・章弘さんは巨人、日本ハムで捕手として計12年間プレー。

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