大谷 押しまくった 初回先頭打者から24球連続ストレート

[ 2014年5月5日 05:30 ]

<日・オ>勝利を祝う鯉のぼりを持ったチビっ子とお立ち台でポーズをとる大谷(左)と佐藤賢

パ・リーグ 日本ハム5-4オリックス

(5月4日 札幌D)
 力で押しまくった。初回、日本ハム・大谷の平野恵に対する初球はいきなり150キロを計測。さらに3番ヘルマンの3球目には156キロまで球速が上がる。4番・糸井にも力勝負。この回投じた14球は全て直球で、しかも全て150キロ以上を叩き出した。札幌ドームに詰めかけた今季最多3万6069人の観衆からも拍手が巻き起こった。

 「ブルペンで真っすぐしか良くなかったので、真っすぐ中心の配球になりました」。ど迫力の直球勝負は24球続いた。3回までの30球で変化球はたった1球だけだった。

 プロ初黒星を喫した4月27日のロッテ戦(札幌ドーム)では初回にプロ初の1イニング2被弾を喫した。「この前は気が抜けていたので最初から(全力で)行くことを考えていた」。前回に続く2度目の中6日。自信の持てない変化球で勝負するより、直球に頼り、初回から思い切り腕を振った。

 しかし、5点リードした5回につかまる。2死一塁で、9番・伊藤から3連打を浴びて3失点。不安だった甘い変化球を痛打された。球威が落ちてきた7回2死三塁で降板。この日投じた93球のうち直球は77球で、その割合は82・8%と、前回の64・1%と比較しても断然高い。変化球に頼ることができない分だけ奪三振は今季最少の2。それでも6回2/37安打4失点と試合をつくり、昨季に並ぶ3勝目を挙げた。栗山監督は「(大谷)翔平の持っている課題ははっきりしている」としながらも、「8割直球」という配球でしのいだことを「ポテンシャルの広さでもある」とうなった。

 チームは今季初の5連勝で勝率5割復帰。大谷には先発ローテーション投手としての風格も出てきた。「昨年より平均して長いイニングを投げられているのが良い。完投とか完封で勝てばもっと自信がつく」。課題はある。それでも二刀流2年目の19歳は目標に向かって着実に進んでいる。

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