ダル エコ進化!奪三振マシン封印で“延長”5回2失点

[ 2014年3月12日 05:30 ]

レッズ戦で5回を投げ終え、ワシントン監督(右)にタッチで迎えられるレンジャーズのダルビッシュ

オープン戦 レンジャーズ8―2レッズ

(3月10日)
 レンジャーズのダルビッシュ有投手(27)が10日(日本時間11日)、レッズ戦に先発し、5回5安打2失点でオープン戦2勝目を挙げた。打たせて取ることに徹した省エネ投球で奪三振は1。予定より1イニング多い5回を63球で投げた。昨季両リーグ最多の277三振を奪った奪三振マシンの顔を封印し、新たなスタイルを披露。3月31日(同4月1日)のフィリーズ戦で開幕投手を務めるエースが、2年連続200イニング以上登板へまた一つ引き出しを増やした。
【レンジャーズ オープン戦日程&結果】

 テーマは明確だった。最速94マイル(約151キロ)の直球にツーシームとカットボール。ダルビッシュは速球系をストライクゾーンへ投げ続けた。

 「真っすぐ系をどんどん投げて。打ってください、という感じで初球から打たせにかかる投球をしたかった」。3回まで完全。当初は4回か65球をメドに交代だったが、4回で48球だ。「コーチが行け、と言うので。僕はもう普通に帰るつもりでしたが」と1イニング延長を指示され、63球で5回5安打2失点。速球系が51球で71%を占めた。スライダーは6球。得意球を使わなくても勝ててしまう。打者18人に対し、要した一人平均の球数は3・5球。無四球だった。

 「シーズンに入って(一つの)バリエーションになってきたら面白くなる。チームもイニングを投げてほしいと思う」。オープン戦だからこそ試せた省エネ投球に、確かな手応えを得た。大リーグ移籍後、5回以上を投げて1奪三振はオープン戦、シーズンを通じて最も少なかった。「三振を奪いにいくところでも最後まで打たせて取るように徹した」。昨季までは三振を量産できる能力があるからこそ、球数がかさみ、交代が早まった試合があった。2年間で完投は一度もないが、この日のペースなら9回でも113球と到達可能だ。

 「経済的だったな」と喜んだのはロン・ワシントン監督だ。試合前には笑って言った。「彼なら300奪三振も可能だが、私が求めるのはアウトを取ること。1球で3つのアウトが取れれば最高だよな」。奪三振ショーも魅力的だが、開幕投手を任せるエースには長い回を投げて勝ってほしい。指揮官が求める投球を見事演じたダルビッシュは言う。「試したいことがあり、やりましたが、次からはしません。(シーズンで)きょうみたいな投球をする時もあるし、しない時もあるし」。状況に応じて投球スタイルを使い分ける。その引き出しは多ければ多いほどいい。

 ≪メジャー最少は5回3奪三振≫ダルビッシュがメジャー移籍後、5回以上投げて最も三振が少なかったのが、12年5月27日ブルージェイズ戦での5回3奪三振。腰痛を抱えていたため、打たせて取る投球を心掛けて日米通算100勝目を挙げた。日本ハム時代は「5回以上、1奪三振以下」がオープン戦も含め、05年9月11日(5回1/3、0奪三振)、07年7月26日(7回1奪三振)、09年9月20日(5回1奪三振)の3度のみ。いずれもオリックス戦だった。

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2014年3月12日のニュース