安楽 ヒヤヒヤ一変8回零封 森友“秘策”修正法で復活

[ 2013年9月7日 06:00 ]

<日本・キューバ>6回1死一塁、併殺打で切り抜け雄叫びを上げてベンチに戻る安楽

第26回IBAF18Uワールドカップ2次ラウンド 日本10―0キューバ

(9月6日 台中)
 日本が初優勝に王手をかけた。2次ラウンドでキューバと対戦した日本は、先発の安楽智大投手(2年)が、8回無失点の好投。6者連続を含む10三振を奪うなどキューバ打線を寄せ付けず10―0で8回コールド勝ちした。この結果、全勝の日本は8日に行われる決勝で、米国と対戦することが決まった。日本は2004年以来の決勝進出。7日の2次ラウンド最終戦でも米国と対戦する。

 カクテル光線が安楽をさらに躍動させた。4回1死から5番・ロベルトを143キロの外角直球で見逃し三振に仕留めると、6回まで6者連続三振を奪い、胸を張った。

 「世界でこのような投球ができて、これから先につながる。全勝で世界一を獲りたい」

 夜に強い。2日のベネズエラ戦に続くナイターでの先発。西谷浩一監督から「打者の視力が落ちるナイターでは球威のある安楽しかいない」と再び託された。2回までに4安打を浴びるなど立ち上がりは不安定だったが、捕手の森友哉がイニング間の投球練習時に、約3メートル後ろで球を受けてから変わった。大阪桐蔭でも行う「球威復活」の修正法。遠い捕手に向かって強い球を投げ、試合が始まれば18・44メートルがいつもより近く感じられる。実際に3回以降は散発2安打。「3回から立ち直ることができた」と先輩捕手に感謝した。さらに外角のストライクゾーンが広い国際大会の特徴を最大限に利用。101球中73球を外角に集め、キューバ打線を牛耳った。

 高校日本代表が国際舞台でキューバと対戦するのは、04年のAAA世界野球選手権大会の決勝(台北・天母球場)で0―4で敗れて以来9年ぶり。当時は先発のダルビッシュ(レンジャース)が2回までに3失点し降板したが、そのリベンジもしっかりと果たした。

 午後6時30分から行われる8日の決勝は、松井の先発が有力。テレビ朝日が急きょ、地上波での生中継を決めるなど注目度は格段に増している。日本の初優勝に向け、夜に強い安楽も静かに出番を待つ。

 ≪国際大会でのキューバ戦コールド勝ちは初≫日本がキューバを10―0で下して決勝進出を決めた。国際大会(親善試合を除く)でキューバにコールド勝ちするのは史上初めて。97年のインターコンチネンタル・カップ決勝では、当時大学生だった高橋由(巨人)、上原(レッドソックス)らを擁し、11―2でキューバの国際試合の公式戦連勝を151で止めたことがある。今回はその記録を上回り、最大得点差での勝利となった。

続きを表示

2013年9月7日のニュース