千賀 4連続だ2回5K 91年工藤以来、バレねじ伏せた

[ 2013年7月21日 06:00 ]

<全セ・全パ>敢闘選手賞に輝いた千賀

マツダオールスターゲーム2013第2戦 全パ1―3全セ

(7月20日 神宮)
 シンデレラボーイは興奮気味だ。「貯金しますよ。デカイですよ」。ソフトバンク・千賀が初の球宴で敢闘選手賞を獲得した。育成出身の3年目で年俸は650万円。20歳の右腕はほぼ2カ月分の給料に当たる100万円のボードを掲げた。

 圧巻は5回だ。「どこまで通用するか試したい」と話していたバレンティンに対し、フルカウントからの8球目は外角低めへの150キロ。今季32本塁打を放っているセのキングのバットは空を切った。さらに今季30発のブランコを136キロのフォーク、新井を151キロの直球で連続三振。4回2死一、二塁のマートンから4者連続三振だ。

 「本当に(バレンティンが)来た。ファウルで粘られ、バテたけど、三振が取れて良かった」。2回1安打無失点。1試合5奪三振は99年の西武・松坂(現インディアンス3A)以来で、2イニングでの達成は91年の西武・工藤までさかのぼる。今季の奪三振率は12・85。セのファンにはなじみの薄い右腕が、電光掲示板に最速154キロを連発し、神宮を沸かせた。

 球宴のイメージを問われると「球児さん」と阪神時代の藤川(現カブス)がカブレラ、小笠原相手に全球直球勝負した06年を挙げる。前日は緊張から「同世代の人とは会話したけど…」とシャイな一面を見せていたが、マウンドでは藤川のような迫力でねじ伏せた。

 今季は34回1/3連続無失点の救援のリーグタイ記録を樹立したが、守ろうとする意識が強くなり、6月26日から7月3日にかけて4試合連続黒星で2軍落ちも経験した。「ボールの勢いが出てきた」と球宴で再認識した力勝負。千賀は自信とともに、輝きも取り戻した。

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2013年7月21日のニュース