花咲徳栄 関口ノーヒッター!頼もし「通過点」

[ 2013年7月21日 06:00 ]

<大宮西・花咲徳栄>ノーヒットノーランを達成した花咲徳栄・関口はウイニングボールを手に笑顔

埼玉大会4回戦 花咲徳栄5―0大宮西

(7月20日)
 第95回全国高校野球選手権大会(8月8日から15日間、甲子園)の地方大会は20日、46大会で282試合が行われた。埼玉大会では今春センバツに出場した花咲徳栄の関口明大投手(3年)が、大宮西との4回戦でノーヒットノーランを達成し、チームを5回戦進出に導いた。21日は42大会で224試合が開催予定。南北海道大会など4大会で決勝が行われる。

 最後は直球で決めた。9回2死一塁。関口は最後の打者を遊ゴロに仕留めると、うつむきながら右腕を突き上げた。だが、すぐに腕を下ろし、表情を引き締めて整列した。

 「うれしさはあったけど、こんなところで終わりじゃないと思った。個人の結果よりも優勝したい。ここは通過点です」

 直球主体の投球でストライクを先行させ、球を低めに集めた。「5回が終わってから打たれてないと気付いた」。9回のマウンドに上がる前に岩井隆監督から「1本打たれたら交代だぞ」と声を掛けられたが「チームが勝てばいい」と最後まで力みのないフォームで投げ抜いた。許した走者は初回、6回、9回の四球と7回の死球の4人だけ。9三振を奪った。

 今春センバツは、県岐阜商との初戦で力でねじ伏せようとする投球が通じず、8回8失点で敗戦。指揮官から「勝てる投手になれ」と言われ、右腕の力みを抜き、左肩の開きを抑える「脱力投法」を目指してフォーム改造に取り組んだ。理想とする日本ハム・大谷の投球映像をパソコンで繰り返し見て、参考にしながら毎日投げ込んだ。

 ここに来てようやく新しいフォームが固まりつつある。「制球が良くなり切れのある球が投げられるようになった」。桐光学園の松井は青葉緑東シニア時代のチームメート。今春の関東大会初戦で投げ合った時は、延長12回の末に敗れたが、関口は「甲子園でもう一度投げ合って勝ちたい」と雪辱に燃えている。

 右手のマメがつぶれて出血しながら1安打完封した16日の西武学園文理戦に続く快投。岩井監督は「学校の歴史に(名が)刻まれた」と賛辞を贈った。野球人生初の快挙を達成した右腕は「まだまだだと思っている。次も自分の投球で勝ちたい」と浮かれることなく次戦の所沢商戦を見据えた。

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