新井 初MVPに西岡「一番獲ってほしくなかった人や!」

[ 2013年7月21日 06:00 ]

<全セ・全パ>MVPの新井(中)と敢闘選手賞の(後列左から)坂本、長谷川、千賀

マツダオールスターゲーム2013第2戦 全セ3―1全パ

(7月20日 神宮)
 “自称”お祭り男の血が騒いだ。08年以来5年ぶりとなった球宴出場で、阪神・新井が自身初のMVPに輝いた。4打数3安打1打点。すべて基本に忠実な中前打―。24日に同じ神宮で再開する後半戦に向けても、最高に弾みがつく夜となった。

 「知ってるか。オレは実はお祭り男なんや!」

 クラブハウスへと続くファウルグラウンドを、カクテル光線やカメラのフラッシュに照らされながら闊歩(かっぽ)する。色とりどりのスタンドから無数に飛んでくる歓喜の声、声、声―。全身に浴びる新井の表情は、キラキラと輝いていた。

 「オールスターだし、どんどん打ちにいったよ。こういう雰囲気は好き。純粋に、真剣にプレーした」。2回無死一塁での第1打席、公式戦通算7打数無安打と苦にする牧田から、いきなり快音を発した。好機を広げ、宮本の右前適時打を演出。そしてハイライトは1―1で迎えた3回だ。マートン、ブランコの安打で形成された2死一、二塁で、またもやアンダースローを叩いた。適時打で決勝点を挙げた。

 「(球宴は)本当に独特の雰囲気だし、真剣勝負をしながらも楽しめた」

 きら星が集うスタジアムで大いに光を放った背番号25も、家の玄関を入れば普通のパパだ。MVPの賞金300万円の使い道を聞かれると「奥さんに渡しますよ」。右肩の故障で苦しかった時期を必死に支えてくれた家族に、お土産ができた。

 2月。誰がこの姿を想像できただろうか。背中の張りと右肩痛が快方に向かうことなく、キャンプは後半から高知県安芸市の2軍で過ごした。権田トレーナーと二人三脚でのリハビリを続けながらも、状態は一進一退。デジタルカメラでティー打撃を連続撮影し、コマ送りしながら自身のフォームをつぶさにチェックした。「今のはいい!」「これはダメ」。何度も巻き戻し、止めては見入った。復活へ必死だった。実戦が増える時期になっても、焦らず歩を進めた。5カ月後、たどり着いた夢舞台でのお立ち台。虎の主砲は、全セの猛者の中でも主砲だった。

 帰り際、同僚・西岡にいじられた。「一番(MVPを)獲ってほしくなかった人や!」。これもまた新井の魅力。22日は被災地・福島で第3戦を迎える。きっとまた、そのバットで夢を与えてくれる。

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