岩崎 痛恨被弾 ついにリーグワーストタイ10敗目

[ 2012年9月14日 06:00 ]

<ソ・楽>7回途中5失点で降板したソフトバンク・岩崎

パ・リーグ ソフトバンク2-6楽天

(9月13日 ヤフーD)
 ソフトバンクの岩崎翔投手(22)が13日の楽天戦で6回1/35失点と打ち込まれ、リーグワーストタイの10敗目を喫した。チームの連勝も「5」で止まり、首位西武との差は3ゲームに広がった。14日から札幌ドームに乗り込み、2位日本ハムと対戦。初戦からリーグ防御率2位の大隣憲司投手(27)と同1位の吉川光夫投手(24)が真っ向から投げ合う。

 とてつもなく手痛い一発を浴びた。まさか…。ヤフードームに詰めかけた鷹党がその放物線に凍りつく。これが野球の怖さ。危なげないペースで飛ばしていた岩崎が奈落の底に突き落とされた。

 魔の7回。先頭の聖沢にこの日2安打目となる内野安打を許した。藤田は投ゴロに打ち取ったが1死二塁と得点圏に走者を背負ったことで、投球が小さくなった。松井を歩かせると、続くガルシアにも特大ファウルを打たれた影響もあり、連続四球。満塁となり、精神的に追い込まれた。

 草野に対して初球ボール。続く2球は真ん中高めへ。今季1号が何とグランドスラムとなった。気落ちした岩崎はその後も連打され、顔を紅潮させたままマウンドを降りた。球数は88。それが、6回までの好投を物語るから皮肉なものだ。

 確かに、中盤までの岩崎は今季ベストといえる内容だった。先発に復帰すること3度目。背水の思いを胸にマウンドで躍動した。初回先頭の聖沢に投げ込んだ147キロ直球が、この一戦にかける意気込みを表す。2死から松井に右前打されたが、ディレードスチール気味にスタートを切った松井を二塁で刺すと、切れのいい直球と変化球を投げ分け、内野ゴロの山を築いていった。

 今季は開幕2試合目に先発し、勝利投手。順風満帆のスタートを切ったように思われた。だが、その後は結果を残せず、屈辱の2軍降格も経験。そこで自分を見つめ直した。「力を入れて投げても自分が思っているほど打者には速く感じてもらえない。それより大切なのはボールの切れ」。出た結論はこれだった。

 ポテンシャルの高さは若鷹投手の中でもトップクラス。斉藤投手コーチも「オレは“勝てる投手だ”と自信を持って投げてほしい」と暗示をかけて送り出したが、その願いは通じなかった。

 5失点の岩崎はリーグワーストタイの10敗目。初モノに弱い打線もダックワースのカーブにほんろうされ、6回まで毎回の8三振。8回に江川の中前適時打で零敗を免れるのが精いっぱいだった。連勝は5で止まり、首位・西武とのゲーム差は3に広がった。

続きを表示

2012年9月14日のニュース