リスク承知で打ち切り決断…共有できなかった“監督像”

[ 2011年12月5日 21:44 ]

 プロ野球横浜DeNAは5日、初代監督として就任を要請していた工藤公康氏との交渉を打ち切った。

 高田繁ゼネラルマネジャー(GM)は工藤氏との最初の交渉で「従来のやり方とは違いますよ」と監督に編成権がないことを告げていた。工藤氏も当初はそれを理解していたというが、チーム編成などが具体化していく中で両者の溝は修復できないところまで大きくなったようだ。

 高田GMが最終的に交渉打ち切りを決断したのは4日夜だったという。チームづくりが大幅に遅れるリスクを承知の上で、自身のGM就任記者会見が開かれる5日の午前中に工藤氏に通告した。

 春田真オーナーは「われわれは野球の素人」と言い、チーム編成を委ねるGM制の導入を早々に決定。2004年オフから07年までGMとして、日本一を争えるチームに日本ハムを導いた高田氏に全てを任せる方針だ。

 GM制はチーム編成を担うフロントと、グラウンドの指揮を執る監督とが明確に役割と責任を分担することで機能する。高田GMが「信頼関係を築けなかった」と言うように、球団が思い描く監督像を工藤氏と共有することはできなかった。

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2011年12月5日のニュース