走る松井!7年ぶり内野安打2本で足アピール

[ 2011年5月5日 06:00 ]

<アスレチックス・インディアンス>6回2死で、三塁内野安打を放ち一塁へ走る松井

ア・リーグ アスレチックス1―4インディアンス

(5月3日 オークランド)
 劇弾の次は激走だ。アスレチックスの松井秀喜外野手(36)は3日(日本時間4日)、インディアンス戦で自身7年ぶりとなる1試合2本の内野安打を記録した。膝を手術して以降は、もちろん初めて。2日(同3日)レンジャーズ戦ではサヨナラ本塁打を放った松井だが、この試合ではバットよりも足を存分にアピールした。試合は1―4でア軍が敗れた。

  敵も足までは計算外だった。三塁手が三遊間付近を、遊撃手が二塁ベース付近を守る「松井シフト」。2回の打球は二遊間への当たりだが、遊撃手が右へ移動してキャッチ。逆シングル捕球からワンテンポ遅れたジャンピング送球のおかげで間一髪セーフ。本人は「多分セーフになるだろうなとは思いましたね」と確信があったという。

 6回の第3打席は、本来なら遊撃手の正面を突く打球が三塁手のグラブをはじき、一塁ベースを駆け抜けた。こちらは悠々。昨季も13打数7安打とカモにしたカルモナから2安打。右腕は「ゴロだったからアウトにしたみたいなもの」と歯ぎしりした。

 1試合に内野安打2本はヤンキース時代の04年9月18日レッドソックス戦以来、メジャー3度目。膝の手術(07、08年)以降は初めてだ。「(今年は)足はずっと状態がいい。走るのは問題ない」。スパイクも右足首を捻挫した05年以来の保護を優先したミドルカットタイプからローカットに戻し、重さも350グラムと昨季より70グラム軽量化した。走ることへの意欲が戻った証だ。

 松井の「スピード」復活は、チーム戦術にも効果をもたらす。ボブ・ゲレン監督は「攻撃の幅が広がるのは心強い。代走を使わなくてもいいという状況もあるだろう」と語った。代走との交代が減れば打席数が増え、貢献できるチャンスが増える。チームにも大きなプラスだ。

 03年5月9日、同じオークランドでのアスレチックス戦でも内野安打2本を記録。「覚えてないよ、そんなの!」と苦笑したが、クリーンヒットでなくても全力疾走で何かを生み出せるゴジラの姿は頼もしい。

 ≪グラブマイスターが訪問≫松井がアドバイザリー契約を結んでいるミズノ社でグラブを製作するグラブマイスターの岸本耕作氏がオークランド・コロシアムを訪れた。練習前に松井と対面し、今季バージョンのグラブの使用感を確認。「特に問題ないとのことでした。あとは試合で使っているところを見られれば最高ですね」。今季はナ・リーグ球団主催試合の交流戦までDH専任の可能性も高いが、打撃と走塁に加え、守備でのハッスルプレーを心待ちにしていた。

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