3冠マエケン4800万円→1億2000万円

[ 2010年12月21日 06:00 ]

前田健は大台の1億円突破の1億2000万円に目を丸くする

 沢村賞男でセ・リーグの投手3冠に輝いた広島の前田健太投手(22)が20日、マツダスタジアムで契約更改交渉に臨み、7200万円増の年俸1億2000万円でサイン。タイトル料として3000万円も獲得した。高卒4年目にして大台突破を果たし栗原、永川勝と並ぶチーム最高年俸にも躍り出た。前田は来季に向けて連続タイトル奪取とともに、日本ハム・ダルビッシュから日本のエースの座を奪う考えを明かした。

 1年間奮闘したご褒美は大きかった。交渉を終えた前田健は、上気した表情で大台突破の余韻をかみしめた。
 「すべてで評価してもらった。プロに入ったからには1億円は一つの目標だった。クリアできて本当にうれしい」
 ほんの2年前は年俸800万円だった右腕が、今季初の開幕投手を務めると15勝8敗、防御率2・21、174奪三振でセ・リーグ11年ぶりの投手3冠を達成。チームがBクラスに低迷する中でセでは6年ぶりとなる沢村賞を獲得し、ベストナイン、ゴールデングラブ賞も受賞するなど孤軍奮闘した。22歳にしてチーム最高年俸タイに躍り出るとともに、高卒4年目のオフで1億円突破はセ・リーグで97年の巨人・松井(現アスレチックス)、今オフの巨人・坂本と並ぶ最速タイの快挙だ。
 だが、進化を止めない右腕にとって大台突破は一つの通過点でしかない。「年齢に関係なく責任がある。チームの中心でありたい」と自覚は十分だが、その視線は球団内にとどまらない。「みんな日本のエースと言えばダルビッシュさんを挙げますが、“日本の投手といえば前田健太”と言われるようになりたい」として、日本球界No・1投手と言われるダルビッシュ超えを高らかに誓った。
 「将来に向けてしっかり貯金したい。年俸が上がっても生活が変わるということでもない」と話すしっかり者の22歳。昨年は伊勢神宮に出かけるなど年末年始の家族旅行は前田家の恒例行事だが、今回は家族を初の海外旅行へ招待する予定だ。1月中旬に先乗りで沖縄入りして5年目のシーズンに備える。周囲の期待はいやが上にも高まるが「もっと上を目指したい。すべてで今年以上の成績を残したい」とどこまでも貪欲。来季も闘志を前面に押し出すマエケンが球界をリードする。

 ▼広島鈴木清明球団本部長 球団としては最大限の評価。プラスのポイントは(広島時代の)黒田(現ドジャース)より上。

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2010年12月21日のニュース