壮絶15回5時間43分!ロッテ史上最長ドロー

[ 2010年11月7日 06:00 ]

<中・ロ>延長15回引き分けに終わり、引き揚げるロッテナイン

 【ロッテ2―2中日】シリーズ史上初の延長15回ドロー!日本シリーズ第6戦は6日、ナゴヤドームで行われ、王手をかけて臨んだロッテは、1点を追う8回にサブロー外野手(34)の中前適時打で同点。その後は執念の継投で、シリーズ最長となる5時間43分の大激闘を2―2で引き分けた。対戦成績は3勝2敗1分けとなり、就任1年目の西村徳文監督(50)は仕切り直しとなる7日の第7戦で5年ぶりの日本一を目指す。

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 球史に残る激闘の末、最後の打者・大島を一ゴロに仕留めた守護神・小林宏が、小さく右拳を握りしめた。シリーズ史上最長となる5時間43分を戦い抜き、シリーズ史上初の延長15回ドロー。王手をかけた大一番で勝利をつかむことはできなかったが、西村監督は笑みを浮かべ、ハイタッチでナインを出迎えた。
 指揮官がベンチ裏に現れたのは日付が変わった午前0時ジャスト。「何時間?」と逆取材した後に「勝ちに等しいというか、負けなかったんでね。投手陣が頑張ってくれた。これだけの時間、15回もやれば選手は疲れるでしょ。でもシーズン最後のゲームなんで頑張ってほしい」と続けた。7投手をつぎ込み、野手は控え捕手・的場以外を使い切る総力戦だった。
 先発したエース成瀬が6回2失点。まだ90球だったが、1点ビハインドの7回に代打を送られた。内が2イニング、伊藤は1イニングを無失点。8回に同点に追いつき、延長戦に入ると窮地の連続だったが救援陣が必死に耐えた。
 10回2死一、三塁は4番手・薮田が和田を三ゴロに仕留めた。続く11回は2イニング目に入った薮田が2死一、二塁のピンチを招く。古谷を投入したが四球で満塁。絶体絶命の場面で、マウンドに上がったのは17年目のベテラン小野だった。しかし、投球練習の1球目が暴投。ナゴヤドーム独特の高くて硬いマウンドに戸惑い、その後も制球が定まらない。荒木に対する初球はボール。中日ファンが押し出しを期待する異様なムードの中、2球目のストライクで落ち着きを取り戻した。そして3球目のシュートで一直。「(マウンドは)合わせるしかなかった。打者にはとにかく攻めるしかなかった」と振り返った。
 小野は12、13回も得点圏に走者を背負ったが無失点。14回から小林宏につないだ。「何とか粘って点を与えずに済んだ。1点取られたら負け。みんな頑張っていたし、僕が取られるわけにはいかなかった」。守護神が意地の投球で2回無失点に切り抜け、負けなかった事実が大きかった。
 リーグ3位からの日本一は第7戦以降に持ち越し。西村監督は8戦目の投手を問われ「それはこれから考えます。あしたの投手もまだ、決まってないからね」と笑いを誘った後、こう言って会見を締めた。「あしたです。あした頑張りましょう」。有利な立場に変わりはない。長い試合を耐えた。歓喜の瞬間は、もうすぐそこにある。

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2010年11月7日のニュース