リーグ3位でも日本一 07年のCS創設で可能に

[ 2010年11月7日 23:39 ]

 パ・リーグが2004年に始めたプレーオフを受け、セ、パ両リーグが2、3位も日本一達成が可能な方式を協議したのは4年前。当時の根来泰周コミッショナーは、優勝チーム同士の対決だった日本シリーズの価値低下を招く恐れを指摘していた。しかし12球団は「消化試合の減少」「新事業によるファンの獲得」「球団の収益増」を狙いとし、クライマックスシリーズ(CS)創設に07年、踏み切った。

 まず2、3位が対戦し、その勝者がリーグ覇者に挑む。試合を行うのは上位球団の本拠地。07年にセを制した巨人の敗退が発端となり、08年からは1位に1勝のアドバンテージが与えられた。今年、首位と2・5ゲーム差のリーグ3位となったロッテは、このCSをすべて敵地で戦い、不利な条件も乗り越えて日本一につなげた。
 ある球界首脳は「ロッテが、セ優勝の中日と互角以上の戦いをした。現時点で制度を見直そう、との声は聞いてない」。今年のCSの観客動員は1試合平均で3万7千人を超えた。真剣勝負の場として定着した上、導入の狙いもほぼ達成されている。
 それでも「3位が日本一」という事態を重くとらえ、再び制度改革の動きが出るのか。昨年セであった「2位にもアドバンテージを」との議論が再燃する可能性はある。

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2010年11月7日のニュース