尚成、メッツ退団!複数年契約要求も決裂

[ 2010年11月7日 06:00 ]

メッツを退団することになった高橋。今後はFAとして新天地を探すことになる

 メッツは5日(日本時間6日)、高橋尚成投手(35)との残留交渉が決裂し、退団が決まったと発表した。高橋は今季10勝6敗8セーブ、防御率3・61。先発、中継ぎ、抑えとフル回転した。契約延長に向けて複数年契約を希望したが、1年契約を提示し続けたメ軍と条件が折り合わず、交渉期限切れとなった。今後はFAとなり、他の29球団の中から新たな移籍先を探す。

 交渉途中で代理人を敏腕、テレム氏に変更してまで粘り強く交渉したが溝は埋まらなかった。高橋側の要求は2年以上、年俸400万~600万ドル(約3億2000万~4億9000万円)とみられ、メ軍側の1年150万ドル(約1億2000万円)プラス出来高とは折り合わなかった。交渉決裂に高橋は本紙取材に「覚悟はしていなかった。一番チャンスを与えてくれた球団なので、できれば残りたかった」と話した。
 本来大リーグは、FAとなるまでに6年間の実働期間が必要。高橋はメ軍契約時に「独占交渉期間中に再契約できない場合は、解雇される手続きでFAになる」という条項を盛り込んでいたため今回の決裂でFAとなった。さらに8月31日から来季開幕までに解雇された選手は、当該球団と5月15日までメジャー契約を結べない(マイナー契約は可能も同日まで昇格できない)規則から残留の線は完全に消滅した。
 6日(日本時間7日)からは29球団との交渉が解禁。「リーグは関係ない。FAとなった以上、自分を一番必要としてくれる球団に行きたい」と特定球団へのこだわりも持っていない。唯一こだわるのは、来季からは家族を米国に呼びたい意向とあって複数年契約の部分だけだ。先発から抑えまでこなせる高橋に興味を示す球団は多い。条件によっては、ヤンキースやフィリーズ、エンゼルス、レッドソックスといった強豪球団が動く可能性は高い。ある大リーグのスカウトは「貴重な左の救援投手。2年400万~500万ドル(約3億2000万~4億円)は勝ち取れるのでは」と話す。
 「ゆっくり考えて決めたいと思う」と高橋。35歳でメジャーの舞台に立った左腕。来季は新天地で夢の続きを追う。

 ≪評価は高いが…≫来季も契約を残す救援投手で、現在複数年契約を結んでいる選手はメジャー全体で29人しかいない。うち抑えは12人。高橋は抑えよりも左の中継ぎとして起用される公算が高いことから、複数年契約は通常なら考えにくい。しかし高橋は先発から抑えまでこなせる点に加え、左打者の被打率は・217。特に救援での防御率は2・04。今季左のスペシャリストとして活躍したダウンズ(ブルージェイズ)の防御率2・64、ローズ(レッズ)の2・29より安定していたとあって評価は高い。

 ▼メッツ・アルダーソンGM ヒサノリはFAを試したかったようだ。残念な結果に終わったが、彼の今季の活躍には本当に感謝している。今後の活躍に期待している。

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2010年11月7日のニュース