サブローの賭け!軽量バットで目覚ます

[ 2010年11月3日 06:00 ]

<ロ・中>3回、サブローは同点となる中前タイムリーを放つ

 【ロッテ7-1中日】短期決戦において不振の打者が調子を取り戻すことは並大抵のことではない。ロッテの4番・サブローも一度崩した打撃フォームを修正できずにもがき苦しんでいた。何かを変える必要がある。サブローの場合は軽量バットだった。そして1点を追う3回2死二塁での値千金の同点適時打につなげた。

  CSからシリーズ第2戦まで10試合で通算36打数4安打、打率・111。打てない中でサブローは「速い球に振り遅れたり、差し込まれる傾向が強い」と自己分析。指3本分バットを短く持っても振り遅れる。そのため第3戦を迎え930グラムのバットを910グラムと20グラム軽くした。打撃フォームを崩す危険性と背中合わせのため、シーズン中でも重さをめったに変えないというが、大舞台で大きなかけに出た。

 「バットを軽くするのは嫌だったけど、やるしかなかった」。結果は吉と出た。初回、山井の初球、141キロの内角シュートを中前に打ち返した。二塁ベース後方に落ちる詰まった打球。しかし打球を詰まらせて内野と外野の間に打球を運ぶことがサブローの本来の打撃スタイルであり、“つなぎの4番”と言われるゆえんである。最初の打席で軽量バットの手応えをつかんだ。

 そして迎えた3回の第2打席。それまで山井は千葉マリン独特の風に苦しみ、スライダーの制球に苦しんでいた。1ストライク2ボールから外角のスライダーが外れ、サブローはさらに速球系に的を絞った。そこに真ん中付近へシュート。第1打席と同じ球種。狙っていた速球系をまたしても詰まらせて中前へ運んだ。「詰まっての安打、バットを折っての安打が自分の中で最高の打撃」。速球系に振り遅れるデータがあった中日バッテリーも軽量バットまでは読み取れなかっただろう。眠れる4番が目を覚ましたことで、ロッテ打線が活性化された。

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2010年11月3日のニュース