“甲子園魂”思い出した!斎藤 有終V自信

[ 2010年11月3日 06:00 ]

両手いっぱいのプレゼントを持って寮に戻る早大・斎藤

 1960年の「伝説の早慶6連戦」以来、50年ぶりに行われる早慶両校による優勝決定戦が3日、神宮球場で行われる。NHKが急きょ生中継を決めるなど注目を集める大一番。日本ハムからドラフト1位指名を受け、先発が確実視される早大の斎藤佑樹投手(4年)は2日、学生最後の早慶戦に懸ける熱い思いを語り、甲子園で培った勝負強さに自信をのぞかせた。

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 1勝すれば優勝のはずが、まさかの連敗。ラストシーズンの優勝の行方は優勝決定戦にまで持ち込まれた。流れは完全に慶大。しかし、崖っ縁に追い込まれても斎藤は全く動じていなかった。

 「もともとトーナメントで負けたら終わりという勝負で生きてきた。その意味では他の人より慣れてる自信はあります」

 恩師からの1本の電話が「負けたら終わり」だったあの夏を思い出させてくれた。連敗を喫した1日の夜。早実の和泉監督から電話があった。「面白くなったな。再試合の時もそうだったけど、最初が肝心だぞ」。駒大苫小牧の田中(楽天)と壮絶な投手戦を演じた06年夏の甲子園決勝。延長15回の末の引き分け再試合で、早実は2回までに2点を奪うなど先に主導権を握った。「攻撃も投手もいいスタートを切りたい」。一発勝負の勝ち方は体に染みついている。31日の慶大1回戦では渕上にいきなり先頭打者弾を浴びたが、同じテツは2度も踏まない。

 斎藤はこの日、ブルペンには入らず、短いダッシュと遠投で切り上げた。50年ぶりの早慶両校による優勝決定戦とあってNHKは急きょ生中継することを決めるなど、日本中の注目を集める一戦。応武監督は先発について「けさ伝えました」と明言こそしなかったが、大一番を任せられるのはエース斎藤しかいない。

 甲子園での決勝再試合。早大史上初の1年生開幕投手。そして優勝決定戦。斎藤にはまるで導かれるように大舞台が巡ってくる。「高校の時もそうですが、こういう環境をつくってもらってありがたい。開幕戦に投げさせてもらって最後もこういう形でできるので、きっちりと締めたい」。最後の早慶戦は自らの手で締めくくり、有終の美を飾る。

 ▽06年夏の甲子園決勝VTR 8月20日の決勝は、両者譲らず1―1で37年ぶりの決勝引き分け再試合。早実・斎藤は178球で15回を完投。3回途中から登板した駒大苫小牧・田中も165球を投げ抜いた。翌21日に再試合が行われ、早実が4―3で勝利し、初優勝。この時の最終打者が田中で、斎藤は145キロ直球で13個目の三振を奪った。2日間で296球の力投だった。

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2010年11月3日のニュース