ヤンキースまた一挙5点で逆転!PS4連勝

[ 2010年10月17日 06:00 ]

対レンジャーズ第1戦に勝利し喜ぶ、8回に適時二塁打のジーター(中央)、同点打のカノ(右から2人目)らヤンキースナイン

 これが世界一軍団の底力だ。ヤンキースは15日(日本時間16日)、レンジャーズとのリーグ優勝決定シリーズ第1戦で、0―5から逆転勝ちし先勝した。7回に1点を返すと、8回は先頭から2四球に5安打を絡める集中打で一挙5点を奪った。今レギュラーシーズンでも95勝中、48度の逆転勝利を収めているヤ軍が得意の形で、今ポストシーズン無傷の4連勝を飾った。

 6回を終えて0―5。7回にカノの右越えソロで1点を返したが、地元のレ軍ファンは勝利を確信し、白いタオルを振ってお祭り騒ぎだった。ところが、8回、35分17秒のヤ軍の猛攻で静まり返った。打者10人で5点を奪い、一気に逆転。ジラルディ監督は「才能あふれるウチの選手たちのやることに驚きはない」と何度もうなずいた。

 先頭ガードナーのヘッドスライディングによる一塁内野安打から始まった。ポストシーズン通算142試合目の出場となった主将ジーターが左翼線へ適時二塁打し、好投の先発ウィルソンを降板に追い込む。連続四球の後、4番ロドリゲスが2点左前打、5番カノが中前適時打で同点とした。いずれも代わった投手の初球を叩いた。ここ一番での集中力はさすが。ロドリゲスが「甘い球が来たら、強く叩こうと思っただけ」と話せば、カノも「高めの球に自然と反応できた」。最後はテムズがバットを折りながら左前へ運び、7者連続出塁の逆転劇を呼んだ。

 まさに「逆転のヤンキース」。レギュラーシーズンでは95勝中、30球団最多となる48度の逆転勝ちを飾った。ツインズとの地区シリーズも3勝中2勝が逆転だった。ジーターは言う。「相手投手からすれば、試合終盤になれば1アウトを取る重みが増す。逆に打者は球に目が慣れるし、前打席までの失敗を修正できる」。終盤になればなるほど打ち取ることが困難になる打線。それが世界一軍団の底力だ。

 連続世界一まであと7勝。だが、1勝の難しさをチームは知る。「1プレーに全力を尽くす。その積み重ねしかない」とジラルディ監督。チームに慢心は一切ない。

 ≪救援陣がサバシア救う≫ヤンキース先発のサバシアが4回6安打5失点。地区シリーズ第1戦から中8日のマウンドで、球威もなく、4四球を与えるなど制球も欠いた。それでも2番手のチェンバレンからの4投手が計5回をわずか1安打に抑えた。「シーズン中はサバシアに救援陣が助けられてきた。今度は自分たちが彼を助ける番だった」とチェンバレン。守護神リベラは9回を無失点で、歴代1位のポストシーズン通算セーブ数を42に伸ばした。

 ≪ヤンキース PSではレンジャーズに10連勝≫リーグ優勝決定シリーズで、初戦に白星突破したチームは昨年までの80チーム中、52チームがリーグ優勝を果たしている。また、ヤ軍はポストシーズンでのレンジャーズ戦は10連勝。大リーグ記録はレッドソックスがエンゼルスを相手に86年~08年に記録した11連勝で、ヤ軍は16日(日本時間17日)の第2戦で勝利すれば、この記録に並ぶ。

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2010年10月17日のニュース