「広島に感謝 日本に感謝」ルイス 重量打線に粘りの投球

[ 2010年10月17日 11:26 ]

ヤンキース戦で6回途中まで2失点と好投したレンジャーズのルイス

 【レンジャーズ7―2ヤンキース】降り注ぐ大歓声の中、最後まで平静さを失わない。元広島のルイスがヤンキースの重量打線を相手に6回途中まで2失点。粘りの投球で勝利への道筋を描いた31歳は「気負うことなく、ストライクゾーンを攻め続けられた」と穏やかに笑った。

 走者を背負っても慌てず、3回は打ち気にはやるロドリゲスに甘いコースから球を動かして芯を外した。5回2死一塁でテシェイラを迎えた時は三振を期待した観衆が総立ちになったが、けん制球を投げて間を取った。

 広島での2年間は転機になったという。以前までの力任せの投球を見直し「制球の大事さを知った。投げ急がない技術も覚えた」と幅を広げた。日本で2年続けて奪三振王に輝き、26勝を挙げた自信を胸に今季の12勝につなげたという。

 「野球をするだけの米国人にはなりたくなかった」と異文化に溶け込もうとも試みた。自宅から球場やスーパーに自転車で通った。原爆ドームを訪れ、8月6日の灯籠流しも鮮明に覚えている。

 左脇腹には人生で大事なものとして漢字で「愛神妻子」の入れ墨がある。プロ野球、広島への感謝を繰り返す右腕が、大一番で輝いた。(共同)

続きを表示

2010年10月17日のニュース