イチロー 日米通算3500安打に王手!

[ 2010年9月19日 06:00 ]

<マリナーズ・レンジャース>幕切れで笑顔のイチロー

 【マリナーズ2―1レンジャーズ】王手、そして残り1ケタ――。マリナーズのイチロー外野手(36)が17日(日本時間18日)、レンジャーズ戦に1番・右翼で先発し4打数2安打。今季61度目のマルチ安打で10年連続200安打へは9本、日米通算3500安打にはあと1本と王手をかけた。走っても2盗塁を決め今季41個目。2年ぶり自身4度目のシーズン40盗塁に到達した。年齢から来る衰えをまるで感じさせない天才打者が、記録達成へ今季も最後まで駆け抜ける。

【試合結果


 スキを見逃さないのが天才たるゆえんだ。初回の2球目、イチローは三塁手ヤングが深めに守っているのを確認すると、セーフティーバントを敢行。小飛球となった打球は三塁と本塁の間にピタリと落ち、投手の送球も間に合わなかった。3回には初球を中前へ。日米3500本へ王手、200安打まで残り9本とした。しかし試合後は冷静そのもの。今季147試合目の出場で、胃潰瘍(かいよう)などで16試合を欠場した昨季を超えたことにも「意識?全然ないです。存じ上げてもいません」と涼しい顔だ。
 今年で37歳。そのプレーぶりに衰えは見えない。昨オフはランニング量を増やし、心肺機能を強化。成果は数字に如実に表れている。3回に二、三盗を決め、2年ぶりに40盗塁の大台に到達。今季35歳以上の選手では、2位の36歳・アブレイユ(エンゼルス)の21盗塁に大差をつけている。37歳シーズンでの40盗塁もメジャー史上9人目だ。体脂肪率は6%を維持。「年齢とともに脂肪も多くなっていく人が多いですから。やっぱ重くなったらしようがないよね」。人ごとのような口調でそう話すと、40盗塁については「ま、何年かに1回はやっておきたいな、という数字」とした。
 試合後にはこの日同じく40盗塁を決めたフィギンズを絶賛。「僕の盗塁に関して言えば、彼が2番にいることで達成されたもの。スタートを切ってファウルというケースが、僕の記憶ではゼロ。そんなことができる2番はこのリーグにはいない」。2番打者が固定されたことで生まれた安心感は、打撃にも好影響を及ぼしている。18日には7月まで同僚だった、大リーグ屈指の左腕リーと対決。しかし記録へと走り続けるイチローのスピードは決して緩まない。

 ≪日本人初37歳シーズン40盗塁≫大リーグ史上、37歳シーズンで40盗塁以上を記録したのは9人。最多は76年ブロックの56盗塁で、イチローは7位タイだ。日本では37歳シーズン以上で40盗塁を超えた選手はおらず、51年に37歳の坪内道典(名古屋=現中日)が決めた37盗塁が最高。またマリナーズは今季イチローとフィギンズが40盗塁に到達。同一シーズンで2選手が40盗塁以上をマークするのは、87年以来23年ぶり。

続きを表示

野球の2010年9月19日のニュース