山井 99球目で偉業逃すも成長実感

[ 2010年8月18日 22:14 ]

ノーヒットノーランは逃したが、5勝目を挙げファンの声援に応える中日・山井

 【中日3-1巨人】偉業達成まで残りアウト三つで、右腕とファンの夢はついえた。中日の山井は9回、先頭の坂本に左翼ポール際に高々と運ばれた初の被安打を見届けると、わずかに表情をゆがめた。

 丁寧に低めを突いた右腕が「ここというところで甘くならなかった」と振り返った好投で、8回までに許した走者は四死球の3人だけ。だが、盛り上がるファンの大声援を受けながら投じた99球目が、狙った外角ではなく甘く入った。山井は「切れろとは祈ったが、失投を完ぺきにとらえられた」と納得の表情だ。

 2007年に中日が53年ぶりの日本一を決めた日本シリーズ第5戦。8回まで日本ハム打線をパーフェクトに抑えながら、9回のマウンドを岩瀬に譲った。マメをつぶして自ら申し出た降板だったが、大舞台での快挙目前の交代はファンも巻き込んだ論争を招いた。

 山井は「あの時は勢いだけだったが、今はピッチングをしている感じ」と自らの成長を実感する。1安打1失点での5勝目に「坂本への1球は、1―0では絶対に投げてはいけない球。次の登板に向け、反省材料にしたい」と悔しさをのみ込んだ。

続きを表示

2010年8月18日のニュース