本間4打点!関東一 米沢監督35歳祝う8強

[ 2010年8月18日 06:00 ]

<早実・関東一>5回2死一、二塁、本間(左)は中越え2点タイムリー三塁打を放ち、三塁上で雄叫びを上げる

 第92回全国高校野球選手権大会第11日は甲子園球場で3回戦4試合が行われ、関東一(東東京)が早実(西東京)との15年ぶりの東京勢対決を制した。本間諒主将(3年)が2安打4打点の活躍など打線爆発で25年ぶりに8強進出。

 【関東一10-6早実】甲子園の大舞台で、東京No・1を全国に知らしめた。東京の下町、江戸川区のやんちゃ軍団が、ほぼ100%早大に進学するエリート集団を派手に、そして豪快にねじ伏せた。
 「東京勢には絶対に負けたくなかった」と本間主将。初出場の85年以来25年ぶりの夏8強にお立ち台で胸を張った。
 試合では捕手らしい冷静な読みを見せた。3―2の5回2死一、二塁。1ストライク3ボールから餌をまいた。内角高めのスライダーをわざと空振りして「追い込めばチェンジアップを投げてくる。相手の決め球を狙ってました」。直後のチェンジアップを仕留めた。右中間フェンス直撃の2点三塁打で再びリードを3点に広げて、早実に大きなダメージを与えた。
 OBの米沢監督が00年の低迷期に就任。当時は寮の部屋は汚れ、玄関に靴が散乱するなど私生活の乱れが目についたが「すべてを直し、角を取ればいいというものでもない」(佐久間コーチ)。しかるだけではなく、個性を生かして長所を伸ばす指導で低迷期を脱出した。3回に2試合連続となる右越え2ランを放った山下は「打ったのはチェンジアップ。監督は直球を打てのサインでしたけど、手が出ちゃいました」。3盗塁の渋沢は「甲子園は走りやすい」。この奔放さこそが関東一の魅力であり、強さだ。個性豊かなナインは、思う存分甲子園の舞台を楽しんでいる。
 この日が35歳の誕生日だった米沢監督は「いいプレゼントをもらいました」と照れくさそうに笑った。18日の準々決勝は成田との関東対決。東京は制した。校名の通り「関東一」になったその先には、初の全国制覇が見えてくる。

 ≪東京勢同士の対決は東東京の3連勝≫甲子園の東京勢同士の対決は夏は15年ぶり3度目。関東一が勝ち、77年・早実(当時)、95年・帝京に続いて東東京勢の3連勝となった。春は東西東京に分かれる以前に1度あるが、72年春決勝で1メートル90の仲根投手を擁した日大桜丘がセンバツ連覇を狙った日大三を下し、初優勝を飾っている。

 ≪夏8強は25年ぶり≫関東一の夏8強は春夏通じて初出場だった85年以来25年ぶり。小倉監督(現日大三監督)率いるチームはエース木島を中心に12―1花園、4―3国学院栃木、4―0日立一と勝って快進撃。準々決勝で東海大甲府に7―8で敗れた。春は87年に平子―三輪のバッテリーで準優勝したのが最高成績。

続きを表示

2010年8月18日のニュース