成田58年ぶり8強!中川3戦連続完投も「赤点」

[ 2010年8月18日 06:00 ]

<北大津・成田>最後の打者を仕留めガッツポーズする成田・中川

 【成田6―5北大津】成田の中川は最後までマウンドを守り抜いた。3戦連続完投で58年ぶりの8強入りにも、エースはグラブをポンと叩いて控えめに喜んだだけだった。

 「29点。赤点です。序盤はしんどかった。スライダーを狙われていました。打線に感謝です」
 2戦計254球を投げた疲労から直球に伸びはなく、スライダーの精度も欠いた。2試合連続で2ケタをマークした三振も思うように奪えず、序盤はリードを許した。打線が7回に一度は逆転も、8回に失策をきっかけに1点差とされてなお無死一、二塁。4番・左打者の小谷に3ボール。ピンチの場面で中川のエースの感性が働いた。

 北大津はヒットエンドランを仕掛けてきて1球ファウル。続く5球目も二塁走者が走ったのを視界でとらえた。「最悪、四球でもいいと思った」と反射的に外角高めに外した。見逃されれば無死満塁だが、成田バッテリーには「北大津は3ボールからは打ちに来る」「小谷は外角に手を出す」のデータもあった。小谷は空振り。内角に構えていた捕手の近藤もとっさに対応。落ち着いて二塁走者を刺して試合の流れを変えた。
 成田市内の寮の中川の自室には、B5の用紙に筆ペンで「エースの心得」として「エースは信頼を得ることが大事」と書いて張ってある。打たれても最少失点に抑え、ピンチで踏ん張るエースの姿を体現。最終回にはこの試合最速の143キロをマーク。4奪三振も116球を投げ抜いた。
 「チャンスで点を取ってくれたのでよかった。次は自分らしい投球で勝ちたい」と中川。苦しむエースをバックが援護、そしてエースが応えた。全員でつかんだ8強の座。古豪が勢いに乗らないわけがない。

 ▼ロッテ・唐川(08年卒)本当に凄いですよね。今年は打撃もいい。ここまで来たら一つでも上を目指してほしいし、最後(優勝)までいってもらいたい。

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2010年8月18日のニュース