日本ハム1イニング2併殺打…低迷象徴!?の珍事

[ 2010年4月5日 06:00 ]

4回1死一、三塁、高橋の遊ゴロで封殺される一走・稲葉

 【日本ハム0-4西武】1イニングで4アウト?開幕から波に乗れない日本ハムを象徴するような珍事が起きた。

 3点を追う4回無死一塁から陽岱鋼は二ゴロ。4―6―3と転送されたが、西武の一塁手・中村が送球をポロリと落とした。この後、稲葉が中前打して一、三塁。しかし、今度は4番・高橋が遊ゴロ併殺に倒れ、チャンスをつぶした。
 この回、守備側の西武が完成させた併殺は1だが、野球規則により、陽岱鋼には併殺打が記録された。1イニング2併殺打はプロ野球史上4度目で、パ・リーグでは62年8月1日に南海が東映戦で記録して以来48年ぶりのこと。「攻撃はチグハグ。(2併殺打は)仕方がないけれど、あんまりいい記録ではない。でも、あれは中村が捕らないと駄目だよ」。梨田監督が珍記録をアシストした相手の拙守をチクリと言いたくなるのも仕方なかった。
 この日は開幕から固定してきたクリーンアップをテコ入れした。糸井を7番に下げ、代わりに小谷野を5番に起用した。ところが、6回2死満塁でその小谷野が3球三振に倒れるなど今季初の零敗。指揮官も「(4、5、6番と)右打者を並べてみたが結果的には駄目だった」と裏目に出た采配にため息をついた。
 昨季は1試合平均4・8点を叩き出し、12球団トップのチーム打率・278をマークした打線。しかし、今季は16点を挙げた22日ソフトバンク戦(札幌ドーム)を除く10試合の平均得点は2・5。稲葉主将は「まだ成長していく過程だから僕は“失敗してもいい”と言っている。みんなでカバーするしかない」と前を向いた。最下位にもがき苦しむが、シーズンは始まったばかり。春の珍事で終わればいいのだが…。

 <21年ぶりの珍記録>日本ハムは4回に陽岱鋼、高橋が併殺打。チーム1イニング2併殺打は89年6月20日中日-広島戦で8回中日の仁村薫、小松崎が記録して以来21年ぶり4度目。普通なら1イニングに2併殺打は4アウトとなってしまうため成立しないが、野球規則10・02iにより、このような珍記録が生まれた。

 ◆野球規則10・02i 打者が併殺打となるようなゴロを打ったとき、第1アウトが成立した後、第2アウトに対する送球を野手が捕らえ損じたためにその野手に失策が記録されたときのように、併殺が完成されなかった場合でも、その打者には併殺打を記録する。

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2010年4月5日のニュース