44年ぶりの一挙10点!梨田監督、通算500勝!!

[ 2010年3月23日 06:00 ]

通算500勝を達成し、スタンドのファンの声援に手を振って応える梨田監督

 【日本ハム16-5ソフトバンク】記録的大勝で監督通算500勝をプレゼントした。日本ハムは22日、ソフトバンク戦で打線が大爆発。2回に打者14人の猛攻で一挙10点を挙げ、東映時代の66年以来、44年ぶりの1イニング2ケタ得点をマークした。開幕2連敗を喫した昨季のパ王者だが、お家芸とも言える「つながる打線」が本領発揮。就任3年目の梨田昌孝監督(56)は節目の白星に笑顔満開だ。

 どうにも止まらない。昨季12球団トップのチーム打率・278を誇った打線がたまっていたうっ憤をすべて晴らした。
 2回だ。打者14人の猛攻は40分間続き、スコアボードには「10」が表示された。66年8月20日・東京戦以来、44年ぶりの1イニング2ケタ得点。この回だけでスタメン全員がホームを駆け抜けた。ド派手な演出で史上25人目の監督通算500勝をプレゼントされた梨田監督は「何点取っても1勝は1勝。もっと2、3点と分散してくれればいいのに…。この3試合のトータル(得点)で勝敗を決めてほしいよ」と冗談交じりに笑った。
 この2試合で計4点だった打線が一変した。突破口を開いたのは、2人そろって打率・111だった3、4番コンビだ。1死満塁から稲葉が右前打を放つと、続く高橋は中越え二塁打で、昨季0勝4敗の苦手ホールトンをマウンドから引きずり降ろす。さらに代わった大場に対しても糸井の左中間二塁打、金子誠の右中間二塁打などで攻撃の手を緩めなかった。
 「鳥肌が立つほどつながった」。3安打3打点の高橋が胸をなで下ろしたのには理由がある。開幕2連敗でベンチの空気は重苦しかった。腰痛の森本が2軍スタートとなり、ムードメーカーが不在。そこで試合前に高橋は稲葉と話し合った。「ベテランが落ち込むと若手は気を使って雰囲気に流される。稲葉さんは背中で引っ張っていくタイプ。だから自分が声を張り上げて、おちゃらけた」。主砲が盛り上げ役を率先。効果はすぐに結果となって表れた。
 試合後にはささやかなお祝いが食堂で行われた。指揮官の500勝。さらにはこの日、8回に代打で右翼線適時二塁打を放った坪井も1000試合出場を飾った。「みんなでお茶で乾杯したよ。でも、なぜか(打撃練習していた)鶴岡だけはいなかったな」。稲葉はニヤリと笑った。つながる打線が復活し、チームに活気も戻った。リーグ連覇へ、この1勝が大きな一歩となる。

 <ノーアーチでは58年ぶり>日本ハムが2回に10得点。1イニング2ケタ得点は、昨年6月14日にヤクルトがオリックス戦(5回に10点)で記録して以来。チームでは東映時代の66年8月20日東京戦で初回に11点を奪って以来44年ぶりだ。この日は本塁打なしで16得点。日本ハムがノーアーチで16得点以上は、東急時代の52年5月5日西鉄戦(19得点)以来58年ぶり3度目。また、チームの開幕カード16得点は、東映時代の71年4月11日西鉄戦での15得点を上回る最多得点になった。

 ◆66年の東映 水原監督の下、優勝候補の一角とみられたが、4月には一時首位を奪うも、5月以下は1度も浮上することなく3位に終わった。打線は打率・330でパ2位の張本、同4、5位の毒島、種茂を擁しリーグ最高のチーム打率・256をマーク。投手陣も24勝のエース・尾崎、17勝の嵯峨など10勝投手を4人そろえたが、投打がかみ合わずVの南海には9ゲーム差をつけられた。また、元ヤンキース・ベンチコーチなどを務めたジマーがこの年だけ在籍していた。

 

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2010年3月23日のニュース