きっかけは自転車通学 広島の新戦力左腕 制球、度胸満点

[ 2010年2月28日 11:23 ]

26日のオープン戦に登板したルーキーの川口

 広島の補強課題だった左の中継ぎに、頼もしい戦力が加わった。ドラフト6位の川口(王子製紙)だ。

 一番の武器は変化する直球。生まれつき遺伝で左手首が小指側に曲がっている特徴が、くせ球を生み出した。打者の手元でホップしながら鋭く動き、川口は「変化球の方が曲がりを計算できる」と言う。
 173センチと小柄だが、両太ももが68センチと強靱な下半身を持つ。静岡・静岡高時代に、試合に負けた悔しさから始めた約1時間の自転車通学がきっかけだ。毎日の鍛錬で「こんなに良くなるものか」と制球が驚くほど安定した。
 21日の西武との練習試合では投手陣が次々と失点する展開で登板し、気迫あふれる投球で1回を三者凡退。大野ヘッド兼投手コーチは「小さいけれど、体全体を使っている。打者に向かっていく気持ちなど、教えてもできないものを持っている」。野村監督も「ああいう展開で緊張したと思うが、素晴らしい」と試合の流れを変えた左腕を絶賛した。
 早大時代は準硬式野球部に所属。プロへの道を自らの力で切り開いてきた24歳は、目標である開幕1軍へ着実にステップアップしている。

 ◆川口 盛外(かわぐち・たけと)静岡・静岡高から早大、王子製紙を経て今年入団。173センチ、79キロ。左投げ左打ち。24歳。静岡県出身。

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2010年2月28日のニュース