日本をステップに…金泰均さっそくメジャー志望

[ 2009年11月17日 06:00 ]

入団記者会見でポーズをとる金泰均内野手。左はロッテ・西村監督

 ロッテが獲得したWBC韓国代表4番、金泰均(キム・テギュン)内野手(27)が16日、千葉市内のホテルで入団会見を行い、将来のメジャー挑戦を目標に掲げたると同時に、韓国時代からあこがれていたという井口資仁内野手(34)への“弟子入り”を志願した。

 FA交渉解禁日の電撃入団合意から3日。かつてロッテに所属した尊敬する母国の先輩・李承ヨプ(現巨人)と同じ道を選択した金泰均は、ロッテでの活躍を約束すると同時に将来的な目標も包み隠さず明かした。
 「日本でプレーすることが最初の目標だった。日本に多くいるいい投手と対戦することで自分のレベルも上がる。日本でしっかり成績を残して、いつかメジャーに行ければいいと思っている」
 韓国で昨年本塁打王を獲得。今春WBCではベストナインに選出されるなど韓国代表の4番として準優勝に貢献した。さらなるステップアップのために決断したロッテ入り。西村監督から4番候補に挙げられた“アジアの大砲”は、次なるステージであるメジャーも見据え、井口への弟子入りを志願した。
 「ダイエー時代から好きだった。当時から韓国の雑誌にも特集が載っていて、技術面、精神面を参考にしてきた。(来年は)早めに来日して合同自主トレをしたい」。前夜はその井口らと都内で寿司など日本食を堪能。野球談議にも花を咲かせた。今季チーム最多73試合で4番を務め、メジャーで世界一も経験している井口はあこがれの存在。ロッテとの契約にメジャー挑戦の特約条項はないが、井口とは来季クリーンアップを組むのが確実。4番の心得、メジャー挑戦の心得を吸収すべく、積極的にコミュニケーションを図りたい考えがあるのは当然だろう。
 会見の冒頭では以前から勉強していた日本語で「はじめまして、金泰均です。チームのために頑張りますので、よろしくお願いします」とあいさつ。ビデオを取り寄せ、日本人投手の研究にも着手しており、西村監督は「凄く研究熱心。若いし守りもうまい。ロッテで長くやってもらいたい」と期待を寄せる。球団は試合前の食堂にキムチ、ナムルを用意するなど全面バックアップを約束。会見後に足を運んだ千葉マリンで約1000人のファンから大歓声で歓迎された金泰均は、新天地での活躍を誓って帰国した。

 <金泰均と一問一答>
 ――ロッテ入りを決めた経緯は?
 「日本に行きたい気持ちが強く、いい環境でやりたかった。ロッテにはいい評価をしてもらった。WBCでいい結果が出せたのが今回の決断につながった」
 ――日本球界について?
 「韓国より少しレベルが上。個人個人では大きな差はないが、レベルの高い選手が多い」
 ――WBCで対戦した岩隈(楽天)らとの再戦は楽しみ?
 「特に誰ということはないが、日本の全投手との対戦が楽しみ」
 ――目標の数字は?
 「まず自分のプレーができればいい。ロッテの素晴らしい選手と競争して4番を打てれば。本塁打だけではなく、状況に応じて安打も打っていければいい」
 ――背番号は52。
 「幼い頃から、いい時も悪い時もずっと52番だった。(塀内が)譲ってくれて感謝している」

 <ファンにお願い、愛称つけて!>金泰均が愛称をファンから公募する。韓国時代は多くのニックネームがあり、お気に入りだったのが「金、疾走」を意味する「キム・チルチュ」。1メートル84、100キロの巨漢に似合わず俊敏な動きもアピールポイントだったそうだが「意外と速く走るから韓国ではいろいろな愛称で愛されたけど、こだわりはない。日本の、ロッテのファンがつけてくれれば、それが一番いい」と語った。

 ◆金 泰均(キム・テギュン)1982年5月29日生まれの27歳。天安北一高からハンファ入り。1年目から一塁手で出場し、規定打席不足も打率・335、20本塁打で新人王。昨年は31本塁打で初の本塁打王。今季は前半戦に長期離脱も95試合で打率・330、19本塁打、62打点。通算1031試合で1091安打、打率・310、188本塁打、701打点。06、09年WBC韓国代表。1メートル84、100キロ、右投げ右打ち。

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2009年11月17日のニュース