長年の夢追いかけ…高橋尚「メジャー」表明へ 

[ 2009年11月17日 06:00 ]

日本シリーズ優勝祝賀会で原監督(右)に話しかけられる高橋尚

 巨人の高橋尚成投手(34)が、FA(フリーエージェント)申請期限となる17日にメジャー挑戦を表明することが16日、分かった。球団は水面下で残留交渉を続けてきたが、00年の入団から10年間で通算79勝をマークした技巧派左腕が、数年来抱き続けたメジャー挑戦への夢を貫くことを決断。08年オフにFAでメジャー移籍した上原浩治(34=オリオールズ)に続き、巨人から2年連続で主力投手が海外に流出することになる。

 巨人の生え抜き最年長左腕が海を渡る。今季に海外移籍も可能なFA権を取得した高橋尚は、日本シリーズ後に家族も含めて熟考に熟考を重ね、最終的に自身の夢を追いかけることを決断。この日、「どういう形になるか分からないけど、残るにしろ、FA宣言するにしろ、あす(17日)発表します。今はそれしか言えない」と明言を避けたが、FA申請の期限でもある17日に正式にメジャー挑戦を表明する。
 高橋尚は入団1年目の00年から先発ローテーションに定着して9勝。14勝をマークした07年は防御率2・75で最優秀防御率のタイトルも獲得した。今季は夏場まで本調子ではなかったが、9月から5連勝で2年ぶりの2ケタとなる10勝に到達。リーグ3連覇、日本一に貢献した。
 球団では日本シリーズ終了後に2度直接交渉の場を設け、さらに電話でも2度にわたり慰留に努めた。しかし、“計4度”の残留交渉にも、最終的に高橋尚はメジャーに新天地を求めた。「30歳を過ぎてから他球団や海外の野球も見たくなった」と話すなど、メジャー挑戦はここ数年来の夢。ワールドシリーズでMVPを獲得したかつての同僚、松井(ヤンキース)の活躍にも背中を押される形となった。ただ、巨人に対しては感謝の言葉を口にした。今月8日には「今までいろいろと我慢してきた部分もある」と話していたが、この日は「評価はしてもらっているし、(清武)球団代表と話をかわして納得した部分もある。ひとつ言えることは、ジャイアンツが好きだということ」と“巨人愛”を強調した。
 プロ10年で通算79勝の技巧派左腕。06年には抑えで15セーブを挙げるなど中継ぎ、救援としての適性もあるだけに、日本市場拡大を目指すレンジャーズ、パイレーツなどメジャー数球団が獲得に興味を示すものとみられる。一方、巨人にとっては昨オフの上原に続く主力投手の海外流出という事態を迎えることになった。

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2009年11月17日のニュース