松井秀の移籍先決定 年明けまでずれ込む可能性も

[ 2009年11月17日 06:00 ]

 ヤンキースとの4年契約を満了し、FAを申請した松井秀喜外野手(35)に対し、各球団の契約オファーが12月12日(日本時間同13日)以降にずれ込む可能性が高まった。

 昨年9月の“リーマンショック”に端を発する不況が長引き、各球団は緊縮財政を強いられている。FA選手との交渉解禁は20日(同21日)だが、松井獲得を狙うホワイトソックスの関係者は「欲しい選手だが20日に即オファーは難しい。12月12日を待たないとオファーできない」と語った。
 来月12日とは「来季の保有選手確定」の日。ここから漏れた選手は“ノンテンダーFA”となる。大リーグでは年俸調停の権利を得た選手は年俸が5~10倍近く急騰するが、不況で年俸総額を抑えたい球団は、その選手を放出せざるを得ない。今オフも過去3年で84本塁打のカスト(アスレチックス)ら有力外野手も保有権を放棄される見込み。米メディアも「例年以上に“掘り出しもの”が放出される」と見通しを示している。
 好景気だった一昨年までは、FA選手は12月上旬のウインターミーティングで決着するケースが目立ったが、昨年はFA申請した171選手で年内にメジャー契約したのは30人程度。ホ軍同様に各球団が“待ちの姿勢”となった場合、12月中旬までオファーは出そろわない。松井の移籍先決定が年明けまでずれ込む可能性がある。

 ◆ノンテンダーFA ノンテンダー(Non―Tender)のテンダーは提出、申請などの意。「各球団はFAとなっていない選手で翌年も保有したい選手にオファーしなさい」という期限が毎年12月に設定されており、今年は12月12日。ここで、保有権を放棄された選手はFAとなる。昨年の斎藤隆はこの形でドジャースからFAとなり、レッドソックスに移籍した。過去の大物選手では、オルティスが02年オフにツインズから「ノンテンダーFA」となり、レッドソックスに移籍した。

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2009年11月17日のニュース