イチロー 延長14回今季2度目サヨナラ打

[ 2009年9月19日 06:00 ]

14回にサヨナラ打を放ち、チームメートから手荒い祝福を受けるイチロー

 【マリナーズ4―3ホワイトソックス】マリナーズのイチロー外野手(35)が17日(日本時間18日)のホワイトソックス戦で、延長14回に右中間へサヨナラ安打を放った。7月28日に続く今季、そして自身2度目のサヨナラ打。大リーグ記録となる9年連続200安打達成後のモチベーション低下の不安も感じさせず、2安打で連続試合安打は6に伸びた。日米通算は3288安打で大リーグ歴代10位の3315安打まであと27本。今季中にもトップ10の座に手が届く。

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 逃げに逃げまくった。延長14回。右中間へ打球が抜け、サヨナラを確信したイチローは一塁を蹴ると、二塁ベースではなく中堅へ向かって一直線に走った。
 「誰も僕には追いつけないですから。このあいだは直後にスウィーニーに捕まえられましたから、それだけは避けようと…。そしたら水が飛んできました」。7月28日の自身メジャー初サヨナラ打では、一塁付近で捕まった。今回の歓喜の輪は中堅定位置付近。それでも、仲間から受ける手荒い祝福、体に突き抜ける喜びは一緒だった。
 1死一、二塁の第7打席。1ボールからの94マイル(約151キロ)直球を叩いた。「ヒットなら何でもいい。一、二塁で(自分が試合を決めるという気持ちに)ならない人はここに立っていられないでしょ」。2度のバンザイでファンに応えたヒーローに、ワカマツ監督も「1年に2回も彼のサヨナラ打が見られるなんて最高だ」と話した。
 打率は・353。現在打率トップのマウアー(ツインズ)とは2分1厘差。04年以来の首位打者は厳しい状況だ。チームは首位エンゼルスと11・5ゲーム差で、プレーオフ進出も絶望的。大リーグ新記録の9年連続200安打の重圧から解放されたイチローは「新たな目標?別に求めてもいないよ。ここに来てそんなものをつくろうと思ってできることでもない。この後はちょっと自由にやらせてもらう権利みたいなもんじゃないの」と語った。とはいえ試合を休むわけでもなく、入念なストレッチから始める日々の厳しいルーティンにも変化はない。10回にも右中間二塁打を放って6戦連続安打。打席での集中力は不変だ。
 日米通算は3288安打。メジャーに当てはめると歴代11位だ。1900年代前半にプレーし“20世紀最高の二塁手”と称されるエディ・コリンズまで27本。イチローは今季1試合1・56本ペース。残り15試合で1・8本ペースなら今季中に“トップ10入り”する計算だ。そしてその先にはピート・ローズの持つ世界記録4256がある。1本ずつの積み重ねでしか大記録は生まれない。イチローは誰よりもそのことを分かっている。

 ≪城島「ナイスジョブやったやろ?」≫城島は延長14回1死一塁から代打で出場。2球目の内角直球がひじ当てに直撃する死球で出塁し、イチローのサヨナラ打をおぜん立てした。「いきなり当てられた。ナイスジョブやったやろ?次がイチさんだからチャンスを広げるのがもちろん。でも、そんな死球なんか頭の片隅にもなかったよ」と笑顔だった。

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2009年9月19日のニュース