イチロー「忘れられない」初のサヨナラ弾は難敵から

[ 2009年9月19日 16:31 ]

ヤンキース戦の9回、右越えに逆転サヨナラ本塁打を放ち、声援に応えるマリナーズのイチロー

 【マリナーズ3-2ヤンキース】本拠地ファンは総立ちとなった。すべての視線は、イチローのかけたアーチに注がれた。「もうなんか、勢いつけていったれ思うて…」。リベラの初球を右越えに逆転サヨナラ2ラン。打った瞬間にそれと分かる一撃だ。平静なイチローが、珍しく高ぶりを抑えるのに苦労していた。

 ダイヤモンドをできるだけゆっくり回った。「その方がいいでしょ? なんかもったいない」。メジャーで自己初の2試合連続サヨナラ打。前日は追いかける同僚たちから走って逃げた。だがこの日は逃げ場がない。本塁で待ち構えた仲間たちが一斉に群がり、ヒーローの細身はすぐ見えなくなった。
 「どのコースにきても簡単にならないピッチャーなんてそういない」。通算522セーブのリベラはイチローにとっても特別な存在だ。初のサヨナラ本塁打をその難敵から打ち「いやあ、なかなか忘れないでしょうね」の言葉に実感がこもる。
 歓喜の輪が解けた後も地元スタンドの興奮は収まらなかった。一度ベンチに下がったイチローが再びダッグアウト前に現れ、ヘルメットを掲げた。シアトルではめったに見られない“カーテンコール”。イチローが9年目で初めて味わう快感でもあった。(共同)

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2009年9月19日のニュース